バレーボールで急性発症した胸髄硬膜内髄外腫瘍の1例

「はじめに」胸髄硬膜内髄外腫瘍は比較的稀な疾患である. その臨床症状は緩徐に進行するものが多く, 突然発症するものはほとんどない. 今回我々はバレーボールのプレイ中に急性発症した胸髄硬膜内髄外腫瘍の1例を経験したので報告する. 症例 症例:37歳女性. 既往歴家族歴は特記事項なし. 特別養護老人ホームの看護婦. 現病歴:1995年6月26日バレーボール中, ボールを追って体をひねった後, 突然上背部から右側胸部にかけて, 疼痛が出現したため近医を受診. 28日両大腿部以下のしびれ感出現. 下肢腱反射亢進, Lhermitte's sign陽性. 同日夕刻より尿閉となり, 29日早朝よ...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 45; no. 4; pp. 1216 - 1218
Main Authors 奥村正彦, 鳥越雄喜, 高須賀良一, 小西宏昭, 原真一郎, 太田雄三, 吉田省二, 山口和博, 鈴木暢彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.09.1996
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ISSN0037-1033

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Summary:「はじめに」胸髄硬膜内髄外腫瘍は比較的稀な疾患である. その臨床症状は緩徐に進行するものが多く, 突然発症するものはほとんどない. 今回我々はバレーボールのプレイ中に急性発症した胸髄硬膜内髄外腫瘍の1例を経験したので報告する. 症例 症例:37歳女性. 既往歴家族歴は特記事項なし. 特別養護老人ホームの看護婦. 現病歴:1995年6月26日バレーボール中, ボールを追って体をひねった後, 突然上背部から右側胸部にかけて, 疼痛が出現したため近医を受診. 28日両大腿部以下のしびれ感出現. 下肢腱反射亢進, Lhermitte's sign陽性. 同日夕刻より尿閉となり, 29日早朝より右下肢脱力出現した. このため30日当科紹介入院. 入院時所見:上肢は神経学的異常所見なし. 第7胸椎レベル以下の痛覚低下, 右下肢の位置覚, 振動覚低下. Lhermitte's sign陽性. 膝蓋腱反射亢進. アキレス腱反射正常. 足クローヌス両側陰性. Babinski反射両側陽性, 下肢筋力は腸腰筋, 右1~2, 左3+. 大腿四頭筋, 右1~2, 左3. 前脛骨筋以下, 右2, 左3. 単純X線像では異常所見は認められなかった. MRI所見:硬膜外血腫を疑いMRIを撮像した. 第6,7胸椎レベルのspinal cord前方にT1強調画像でlow, T2強調画像でhigh intensityを呈する硬膜内髄外の病変が認められた.
ISSN:0037-1033