肩腱板断裂の治療経験

「はじめに」肩腱板断裂症例に対し適応を選んで肩腱板修復術を行ってきた. 今回, その手術法と治療成績を検討し報告する. 対象および方法 対象は, 1989年から1994年に加療した腱板完全断裂45例45肩である. 男性30例・女性15例であり, 年齢は31才から67才, 平均55.5才であった. 36例(80%)が利き手側であり, 29例(64%)に明らかな外傷歴を認めた. 外傷から手術までの期間は, 1カ月から15カ月, 平均4.4カ月であった. また, 術後経過観察期間は6カ月から6年, 平均3年であった. <手術手技>原則として術前関節鏡検査を施行した. これは断裂の大きさお...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 45; no. 2; pp. 507 - 511
Main Authors 井手淳二, 山鹿眞紀夫, 北村歳男, 大橋浩太郎, 田上学, 平井康裕, 高木克公, 森澤佳三, 中島伸一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.03.1996
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ISSN0037-1033

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Summary:「はじめに」肩腱板断裂症例に対し適応を選んで肩腱板修復術を行ってきた. 今回, その手術法と治療成績を検討し報告する. 対象および方法 対象は, 1989年から1994年に加療した腱板完全断裂45例45肩である. 男性30例・女性15例であり, 年齢は31才から67才, 平均55.5才であった. 36例(80%)が利き手側であり, 29例(64%)に明らかな外傷歴を認めた. 外傷から手術までの期間は, 1カ月から15カ月, 平均4.4カ月であった. また, 術後経過観察期間は6カ月から6年, 平均3年であった. <手術手技>原則として術前関節鏡検査を施行した. これは断裂の大きさおよび関節内病変の確認のため施行した. その後, deltoid splitting approachにて全例にanterior acromioplasty7)を施行した. 手術法は, 断裂径が5cm未満の完全断裂例29例中26例にMcLaughlin法5)11), 3例に側側縫合を施行した. 一方, 断裂が2腱以上におよぶか断裂径が5cm以上の広範囲断裂例は16例であり, 7例にMcLaughlin法, 3例に肩甲下筋移行法7), 1例に棘上筋前進法2), 5例に人工腱Teflon feltを用いたPatch8)を施行した.
ISSN:0037-1033