大学生競技者における脳振盪受傷後のアスレティックリハビリテーション - 脳振盪ベースライン評価を用いた1例

〔要旨〕 2年前に脳振盪既往歴を有し, 再度脳振盪を受傷した大学生競技者に対してアスレティックリハビリテーションを行った知見を報告する. 症例は大学サッカー選手, 練習中にゴールキーパーと接触して脳振盪を受傷した. 症状の回復指標はSCAT2を, アスレティックリハビリテーションはGRTPを参照し, 有効な結果が得られた. また, ベースライン評価および受傷後繰り返しSCAT2を実施することで復帰プログラムの指標を得ることができた. 「はじめに」 近年, スポーツ現場における脳振盪が注目されている. 過去, 4回にわたり「スポーツにおける脳振盪に関する同意声明スポーツにおける脳振盪に関する国際...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本臨床スポーツ医学会誌 Vol. 23; no. 2; pp. 295 - 298
Main Authors 津賀裕喜, 佃文子, 金森雅夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床スポーツ医学会 30.04.2015
Online AccessGet full text
ISSN1346-4159

Cover

More Information
Summary:〔要旨〕 2年前に脳振盪既往歴を有し, 再度脳振盪を受傷した大学生競技者に対してアスレティックリハビリテーションを行った知見を報告する. 症例は大学サッカー選手, 練習中にゴールキーパーと接触して脳振盪を受傷した. 症状の回復指標はSCAT2を, アスレティックリハビリテーションはGRTPを参照し, 有効な結果が得られた. また, ベースライン評価および受傷後繰り返しSCAT2を実施することで復帰プログラムの指標を得ることができた. 「はじめに」 近年, スポーツ現場における脳振盪が注目されている. 過去, 4回にわたり「スポーツにおける脳振盪に関する同意声明スポーツにおける脳振盪に関する国際会議」が開催されており, 脳振盪に関する認識が高まっている. 同意声明には脳振盪対策として脳振盪の定義の明確化や評価方法, 復帰方法などの討論が進められている. さらに近年では無症候期にベースライン評価を実施することが推奨されている.
ISSN:1346-4159