薬局における後発医薬品変更調剤の実態に関する調査 - JCHO千葉病院における一考察

「緒言」 後発医薬品は一般的に先発医薬品に比べて薬価が安いため, 医療保険財政の改善や患者の負担を軽減する目的で後発医薬品の普及が図られてきた. その政策の1つに, 厚生労働省では平成25年4月に「後発医薬品のさらなる使用促進のためのロードマップ」を策定し, 診療報酬上の評価や患者への情報提供, 処方せん様式の変更, 品質の確保など様々なアプローチから後発医薬品普及のための政策がある. それらの政策の結果, 令和3年10月から同年12月の集計では, 後発医薬品の数量シェアは79.3%となっている. 厚生労働省の政策のなかでも, 処方せん様式の変更においては, 2006年度の診療報酬改定により処...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in医薬品相互作用研究 Vol. 48; no. 2; pp. 64 - 71
Main Authors 村山耀隆, 宮本大介, 小林江梨子, 佐藤信範
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 医薬品相互作用研究会 30.09.2024
Online AccessGet full text
ISSN0385-5015

Cover

More Information
Summary:「緒言」 後発医薬品は一般的に先発医薬品に比べて薬価が安いため, 医療保険財政の改善や患者の負担を軽減する目的で後発医薬品の普及が図られてきた. その政策の1つに, 厚生労働省では平成25年4月に「後発医薬品のさらなる使用促進のためのロードマップ」を策定し, 診療報酬上の評価や患者への情報提供, 処方せん様式の変更, 品質の確保など様々なアプローチから後発医薬品普及のための政策がある. それらの政策の結果, 令和3年10月から同年12月の集計では, 後発医薬品の数量シェアは79.3%となっている. 厚生労働省の政策のなかでも, 処方せん様式の変更においては, 2006年度の診療報酬改定により処方せんに「後発医薬品への変更可」欄が設けられ, この欄に医師の記名・押印または署名があれば, 薬局での変更調剤を可能とした. しかし, この改定では後発医薬品使用が十分に促進されず, 2008年度の診療報酬改定により「後発医薬品への変更不可」欄へと変更になり, 「後発医薬品への変更不可」欄に医師の署名(または, 記名・押印)がない場合には, 処方せんを応需した薬局で患者が希望する場合に後発医薬品への変更が可能となっている.
ISSN:0385-5015