金属製気管切開カニューレに対する金属アレルギーによる不明熱の1例
症例は71歳女性. 22年前に甲状腺腫瘍の手術を施行し両側反回神経麻痺を生じたため呼吸不全症状を来すようになった. 平成7年6月20日当科に紹介入院となり気管切開術を施行した. その2週間後より38~39℃台の高熱が出現持続し, 抗生剤に無反応であったため原因精査を行った. 金属カニューレ挿入部位に著明な発赤を認めたのでプラスチック製のカニューレに変更したところ発赤は軽減し, 持続していた高熱も速やかに消退した. 金属アレルギーを疑い, 金属カニューレ装着チャレンジテストを施行したところ挿入部の発赤と発熱といった症状の再現を認めたことから, 金属カニューレに対する金属アレルギーによる不明熱と診...
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| Published in | 気管支学 Vol. 18; no. 7; pp. 728 - 729 |
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| Main Authors | , , , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本気管支学会
25.11.1996
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| ISSN | 0287-2137 |
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| Summary: | 症例は71歳女性. 22年前に甲状腺腫瘍の手術を施行し両側反回神経麻痺を生じたため呼吸不全症状を来すようになった. 平成7年6月20日当科に紹介入院となり気管切開術を施行した. その2週間後より38~39℃台の高熱が出現持続し, 抗生剤に無反応であったため原因精査を行った. 金属カニューレ挿入部位に著明な発赤を認めたのでプラスチック製のカニューレに変更したところ発赤は軽減し, 持続していた高熱も速やかに消退した. 金属アレルギーを疑い, 金属カニューレ装着チャレンジテストを施行したところ挿入部の発赤と発熱といった症状の再現を認めたことから, 金属カニューレに対する金属アレルギーによる不明熱と診断した. 同時に金属アレルギーパッチテストを16種の金属について行った結果, コバルト(+), ニッケル(+), 亜鉛(72時間±)であり, 金属カニューレの材質はクロムメッキ, 銅および亜鉛であった. |
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| ISSN: | 0287-2137 |