聖マリアンナ医科大学東横病院消化器病センターへの救急搬送の現状
「抄録」「目的」: 救急車適正利用が重要視されている. 当消化器センターに救急車で搬送されたが, 入院加療を必要としない軽症患者の現状を把握し, 救急車適正利用について報告する. 「対象と方法」: 平成20年6月から平成29年5月まで9年間に当消化器病センター救急外来を受診したのは9625人であった. 救急車での搬送は2885人, そのうち入院加療を要した患者は1849人(64.0%), 当日帰宅患者数は1036人(36.0%)であった. 当日帰宅患者1036人の内, 当院かかりつけ患者143人を除外した893人を対象とし, 矢野らが報告した基準をもとに, 当消化器病センターへの搬送患者の救急...
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Published in | 聖マリアンナ医科大学雑誌 Vol. 46; no. 3; pp. 147 - 152 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
聖マリアンナ医科大学医学会
01.11.2018
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ISSN | 0387-2289 |
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Summary: | 「抄録」「目的」: 救急車適正利用が重要視されている. 当消化器センターに救急車で搬送されたが, 入院加療を必要としない軽症患者の現状を把握し, 救急車適正利用について報告する. 「対象と方法」: 平成20年6月から平成29年5月まで9年間に当消化器病センター救急外来を受診したのは9625人であった. 救急車での搬送は2885人, そのうち入院加療を要した患者は1849人(64.0%), 当日帰宅患者数は1036人(36.0%)であった. 当日帰宅患者1036人の内, 当院かかりつけ患者143人を除外した893人を対象とし, 矢野らが報告した基準をもとに, 当消化器病センターへの搬送患者の救急車適正利用に関して報告する. 「結果」: 当日帰宅患者893人の平均年齢は47.7歳(15-98歳), 男/女は478人(54.0%)/415人(46.0%)であった. 認知症33人(3.6%), 精神疾患39人(4.3%), 高齢(65歳以上)205人(23.0%)の合計277人(31.0%)は矢野らの基準によると, 適正利用と考えられた. 一方, 非適正利用は救急車以外で安全な来院が可能と判断された616人(69.0%)が該当した. 「結論」: 救急車で搬送された患者のうち, 当日帰宅された患者の69.0%が非適正利用と考えられたが, 症状の程度には個人差があり, 搬送基準を一律化するのは困難と思われた. |
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ISSN: | 0387-2289 |