新たな鼻過敏症の初期病変モデルマウスの作製

「抄録」アレルギー性鼻炎は臨床における検討だけでなく, in vitroやin vivoにおいても様々な方法で病態解析が行われている. マウスを用いた様々なアレルギー性鼻炎解析モデルの中で代表的なものとして, 抗原として卵白アルブミンを用いて感作後に鼻腔局所に抗原を投与するモデルがある. これは抗原とAlum adjuvantを腹腔内投与することによって感作を成立させてアレルギー性炎症を誘導する. このモデルは病態解析だけでなく, 薬剤の治療効果判定としても用いられ, 新たな治療薬の検討や臨床応用につながっている. アレルギー性鼻炎は抗原特異的IgE抗体を介した獲得型アレルギーが重要であり,...

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Published in川崎医学会誌 Vol. 43; no. 2; pp. 109 - 117
Main Authors 雜賀太郎, 兵行義, 佐野寛哉, 濱本真一, 矢作綾野, 石原克彦, 原田保, 原浩貴
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 川崎医学会 01.12.2017
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ISSN0386-5924

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Summary:「抄録」アレルギー性鼻炎は臨床における検討だけでなく, in vitroやin vivoにおいても様々な方法で病態解析が行われている. マウスを用いた様々なアレルギー性鼻炎解析モデルの中で代表的なものとして, 抗原として卵白アルブミンを用いて感作後に鼻腔局所に抗原を投与するモデルがある. これは抗原とAlum adjuvantを腹腔内投与することによって感作を成立させてアレルギー性炎症を誘導する. このモデルは病態解析だけでなく, 薬剤の治療効果判定としても用いられ, 新たな治療薬の検討や臨床応用につながっている. アレルギー性鼻炎は抗原特異的IgE抗体を介した獲得型アレルギーが重要であり, 早期相の誘導にはIgEとマスト細胞を介して局所に放出されるヒスタミンなどの炎症性物質が症状を起こすきっかけとなる. 今回我々は, 抗原特異的IgEを静脈注射して受動感作を成立させ, 抗原抗体反応を介したマスト細胞からの脱顆粒で誘導されるアレルギー性炎症を中心に解析する実験モデルを考案したので, 文献的考察を踏まえて報告する.
ISSN:0386-5924