Script Concordance Testの有用性と問題点

「抄録」「目的」:臨床推論, 問題解決能力を評価する手法としてのScript Concordance Testの有用性と問題点について検討を試みた. 「方法」:対象は第5学年の学生で, 第5学年終了時の評価の一部としてScript Concordance Testを実施した. Script Concordance Testの結果と, 前年度実施の共用試験CBT, およびScript Concordance Testと同時に実施した5者択一形式の客観試験との相関を検討した. また同じ問題を2つの学年のいずれも第5学年終了時に出題し, 解答分布の相関を検討した. 「結果」:Script Conco...

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Published in聖マリアンナ医科大学雑誌 Vol. 44; no. 3; pp. 151 - 156
Main Authors 信岡祐彦, 瀧宮顕彦, 望月篤, 伊野美幸
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 聖マリアンナ医科大学医学会 01.11.2016
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ISSN0387-2289

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Summary:「抄録」「目的」:臨床推論, 問題解決能力を評価する手法としてのScript Concordance Testの有用性と問題点について検討を試みた. 「方法」:対象は第5学年の学生で, 第5学年終了時の評価の一部としてScript Concordance Testを実施した. Script Concordance Testの結果と, 前年度実施の共用試験CBT, およびScript Concordance Testと同時に実施した5者択一形式の客観試験との相関を検討した. また同じ問題を2つの学年のいずれも第5学年終了時に出題し, 解答分布の相関を検討した. 「結果」:Script Concordance Testと共用試験CBTの正答率, 同時に実施した5者択一形式の客観試験の成績との間には, いずれも有意な相関は認められなかった(それぞれr=0.252, r=0.194). 同じ問題を2つの学年に出題し解答分布の相関を検討したところ, 両者の間には良好な相関がみられた(r=0.922). 「結論」:Script Concordance Testは総括評価として合否の判定に用いるよりも, 形成的評価や, PBLの中でのディスカッションのツールとしての使用など, 思考過程を活性化させるために用いる方が適当と考えられた.
ISSN:0387-2289