B型肝炎ウイルスと感染事故におけるHBIGおよびVaccine投与の疫学的感染予防効果 (2)

「はじめに」 B型肝炎ウイルス(HBV)は, BlumbergのAu抗原の発見から, 免疫・疫学・基礎学ならびに臨床医学的研究と観察を基盤とした検索から, 病因と疾患との相互的因果関係の段階と病因制御が積極的に進められている. HBV腫瘍関連マーカーも重要視されてきている. HBV感染は, 輸血・血液製剤の輸入, 医療過誤, 母児間における垂直や水平感染, 接触による家族間の感染, 配偶者間感染などと, さらには施設間感染, 同性愛者間・薬物注入依存者間らと感染頻度が高率である. 医療法が複雑化や発展するにつれて, HBVをはじめとする医療上の感染対策が必要とされる. HBV感染の重要性や緊急...

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Published in神奈川歯学 Vol. 24; no. 2; pp. 393 - 398
Main Authors 木村友七, 岩宮万里子, 吉田直美, 岩本朗子, 笹田睦美, 伊東利, 菊池信弥, 八木伸, 檜垣旺夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 神奈川歯科大学学会 30.09.1989
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ISSN0454-8302

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Summary:「はじめに」 B型肝炎ウイルス(HBV)は, BlumbergのAu抗原の発見から, 免疫・疫学・基礎学ならびに臨床医学的研究と観察を基盤とした検索から, 病因と疾患との相互的因果関係の段階と病因制御が積極的に進められている. HBV腫瘍関連マーカーも重要視されてきている. HBV感染は, 輸血・血液製剤の輸入, 医療過誤, 母児間における垂直や水平感染, 接触による家族間の感染, 配偶者間感染などと, さらには施設間感染, 同性愛者間・薬物注入依存者間らと感染頻度が高率である. 医療法が複雑化や発展するにつれて, HBVをはじめとする医療上の感染対策が必要とされる. HBV感染の重要性や緊急性の度合に応じて, HBIG・HB Vaccineの投与が積極的にされている. 予防効果は, 非投与群とでは明らかにHBVの感染が阻止されている. 母児間感染, 配偶者間感染, 家族内感染, 医療事故による感染防止に投与されてB型肝炎の予防に効果的である. 本学におけるHBIG投与とVaccine接種効果について, 簡単に述べる.
ISSN:0454-8302