気管支動脈造影にて硬化性血管腫が疑われた肺カルチノイドの1例

症例は58歳, 男性. 検診発見の左S^6 の腫瘤影にて気管支鏡を施行され, B^6 内に著明に拍動する腫瘤が認められ, 肺動脈瘤が疑われた. 肺動脈造影にて肺動脈に異常が認められなかったため, 気管支動脈造影が施行された. 動脈相にて腫瘍を取りまく比較的スムースな血管増生と静脈相にて境界明瞭な腫瘍濃染が認められたため, 硬化性血管腫が疑われた. 開胸として腫瘍の一部を迅速病理に提出したところ, malignant tumorと診断されたため, 下葉切除とリンパ節郭清を施行した. 永久標本にてtypical carcinoidと診断された. カルチノイドの気管支動脈所見についての記載はあまりな...

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Published in気管支学 Vol. 19; no. 3; p. 261
Main Authors 片岡和彦, 松浦求樹, 妹尾紀具
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本気管支学会 25.05.1997
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ISSN0287-2137

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Summary:症例は58歳, 男性. 検診発見の左S^6 の腫瘤影にて気管支鏡を施行され, B^6 内に著明に拍動する腫瘤が認められ, 肺動脈瘤が疑われた. 肺動脈造影にて肺動脈に異常が認められなかったため, 気管支動脈造影が施行された. 動脈相にて腫瘍を取りまく比較的スムースな血管増生と静脈相にて境界明瞭な腫瘍濃染が認められたため, 硬化性血管腫が疑われた. 開胸として腫瘍の一部を迅速病理に提出したところ, malignant tumorと診断されたため, 下葉切除とリンパ節郭清を施行した. 永久標本にてtypical carcinoidと診断された. カルチノイドの気管支動脈所見についての記載はあまりないので報告した.
ISSN:0287-2137