低加入度数分節眼内レンズ (レンティスコンフォートIOL) 挿入後に大回旋した1例

低加入度数分節眼内レンズ(レンティスコンフォートIOL)挿入後に大回旋した1例を経験し, 大回旋の要因を検討した. 「症例:」70歳, 男性. 両眼に水晶体再建術を施行し, レンティスコンフォートIOLを挿入した. 両眼とも術中術後にIOLが大回旋し, 左眼ではIOL整復術を施行したが再度大回旋を生じた. その後は視力に影響がないため経過観察としている. 「考按:」IOLの大回旋が生じた理由として水晶体嚢の大きさが関与しているのではないかと, 当院にて水晶体再建術を施行した40例73眼を対象として水晶体嚢径の代替となりうる水平隅角間距離(ATA)を測定し, 本例と比較検討を行った. 本例はAT...

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Published in日本白内障学会誌 Vol. 35; no. 1; pp. 88 - 91
Main Authors 高松文乃, 石田理, 橋村朋, 喜田照代
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本白内障学会 01.06.2023
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ISSN0915-4302

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Summary:低加入度数分節眼内レンズ(レンティスコンフォートIOL)挿入後に大回旋した1例を経験し, 大回旋の要因を検討した. 「症例:」70歳, 男性. 両眼に水晶体再建術を施行し, レンティスコンフォートIOLを挿入した. 両眼とも術中術後にIOLが大回旋し, 左眼ではIOL整復術を施行したが再度大回旋を生じた. その後は視力に影響がないため経過観察としている. 「考按:」IOLの大回旋が生じた理由として水晶体嚢の大きさが関与しているのではないかと, 当院にて水晶体再建術を施行した40例73眼を対象として水晶体嚢径の代替となりうる水平隅角間距離(ATA)を測定し, 本例と比較検討を行った. 本例はATAが平均値より長く, それがレンティスコンフォートIOL回旋の一因になっていたと考えられた.
ISSN:0915-4302