Marfan様体型, 知能障害を伴ったGilles de la Tourette症候群の1例
「要旨」26才, 男性. 小中学生時は学業成績不良で, 16才より同じ言葉や動作の反復, 顔面・手のチック, 易興奮性, 強迫傾向がみられ, 20才時当院入院. このころより糞語, 陰部露出も出現. 体格は痩せ型で四肢が長く, クモ状様指, 翼状指, 高口蓋がみられた. IQ(WAIS)は67. 染色体は46XY. 以上よりMarfan様の体型, 知能障害を伴う特異なGilles de la Tourette症候群(GTS)と診断した. 抗ドパミン薬の投与によるGTSの全症状の著明な改善, インスリン試験による成長ホルモンの分泌遅延(90~120分に最高値), またclonidine投与による...
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| Published in | 医療 Vol. 40; no. 7; pp. 636 - 642 |
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| Main Authors | , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
医療同好会
01.07.1986
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| ISSN | 0021-1699 |
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| Summary: | 「要旨」26才, 男性. 小中学生時は学業成績不良で, 16才より同じ言葉や動作の反復, 顔面・手のチック, 易興奮性, 強迫傾向がみられ, 20才時当院入院. このころより糞語, 陰部露出も出現. 体格は痩せ型で四肢が長く, クモ状様指, 翼状指, 高口蓋がみられた. IQ(WAIS)は67. 染色体は46XY. 以上よりMarfan様の体型, 知能障害を伴う特異なGilles de la Tourette症候群(GTS)と診断した. 抗ドパミン薬の投与によるGTSの全症状の著明な改善, インスリン試験による成長ホルモンの分泌遅延(90~120分に最高値), またclonidine投与による易興奮性の改善などから, 本例では脳内dopaminergic neuron系の亢進, α-adrenergic neuron系の異常が示唆された. 更に, 本例はMarfan様体型や知能障害などの先天性の異常があり, GTSの発症要因として神経系の発達・分化の異常やこれに関する遺伝子の異常を考慮すべき要があると思われた. |
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| ISSN: | 0021-1699 |