COVID-19パンデミックにおける看護学生のメンタルヘルスの不調に関する文献研究 - 4か国6件の質的研究より

「要旨」【目的】COVID-19パンデミック(以下COVID-19)下において看護学生を対象として行われたメンタルヘルスの不調に関する質的研究の文献を網羅的に検索し収集する事と, それらの文献の特徴や内容を明らかにする事とした. 【方法】2023年7月3日にMEDLINEとCINAHLを用い, シソーラス用語「student」「Mental Health」「COVID-19」について, 関連用語も含めて検索を行った. 各文献における対象者は看護学生とし, COVID-19におけるメンタルヘルスを主題とした質的研究とした. アルコール等の「薬物依存」に関する文献は除外した. CINAHLで132...

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Published in兵庫県立大学看護学部・地域ケア開発研究所紀要 Vol. 31; pp. 29 - 45
Main Authors 曲渕時, 丸光惠
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 兵庫県立大学看護学部・地域ケア開発研究所 01.03.2024
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ISSN1881-6592

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Summary:「要旨」【目的】COVID-19パンデミック(以下COVID-19)下において看護学生を対象として行われたメンタルヘルスの不調に関する質的研究の文献を網羅的に検索し収集する事と, それらの文献の特徴や内容を明らかにする事とした. 【方法】2023年7月3日にMEDLINEとCINAHLを用い, シソーラス用語「student」「Mental Health」「COVID-19」について, 関連用語も含めて検索を行った. 各文献における対象者は看護学生とし, COVID-19におけるメンタルヘルスを主題とした質的研究とした. アルコール等の「薬物依存」に関する文献は除外した. CINAHLで132件, MEDLINEで213件ヒットした論文を, 著者らが2人でスクリーニングを行い, CINAHLで4件, MEDLINEで2件を分析対象とした. 【結果】看護学生のメンタルヘルスの不調は感染予防を目的とした生活環境の変化によるものであった. 医療機関に就労した看護学生は「勤務に伴う葛藤」や「負担感」を感じていた. 留学生を対象とした研究では不眠等の症状を訴えていた. 学生は身近な人々のサポートと共に, 体験を前向きにとらえる事や, 社会的役割を見出す事で対処していた. 【結論】留学生および医療機関で勤務する看護学生はメンタルヘルスの不調に陥りやすく, ピアサポートだけでなく, カウンセリングサービスや精神科受診につなぐ必要がある事が示唆された. 看護学生のメンタルヘルスの不調を予防するには, 体験をポジティブに意味づける事と, 自身の存在について社会的価値を見出せるような支援が重要と思われた.
ISSN:1881-6592