(II-P1-17)喉頭マイクロフォンを用いた嚥下回数測定デバイスの開発-信頼性の検討
【緒言】嚥下障害を有する症例では, 経管栄養や気管カニューレの装着, 嚥下反射閾値の上昇などの理由から嚥下頻度が減少するとされている. 嚥下頻度の過度の減少は, 嚥下に関わる器官の廃用性萎縮を生じ, 嚥下機能の低下を助長する. しかしながら, 嚥下障害例の嚥下頻度を検討した報告はなく, 嚥下頻度の低下の程度は明らかではない. 嚥下障害例において嚥下頻度を長時間測定するには被験者の行動に制限を与えず, 簡便なシステムが望まれる. このような条件を満たすため我々は, 喉頭マイクロフォンを応用した長時間測定が可能な嚥下回数測定デバイスを開発中である. 今回このデバイスを紹介し, 安静時, 食事時にお...
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| Published in | 日本摂食・嚥下リハビリテーション学会雑誌 Vol. 10; no. 3; p. 446 |
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| Main Authors | , , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本摂食・嚥下リハビリテーション学会
31.12.2006
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| ISSN | 1343-8441 |
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| Summary: | 【緒言】嚥下障害を有する症例では, 経管栄養や気管カニューレの装着, 嚥下反射閾値の上昇などの理由から嚥下頻度が減少するとされている. 嚥下頻度の過度の減少は, 嚥下に関わる器官の廃用性萎縮を生じ, 嚥下機能の低下を助長する. しかしながら, 嚥下障害例の嚥下頻度を検討した報告はなく, 嚥下頻度の低下の程度は明らかではない. 嚥下障害例において嚥下頻度を長時間測定するには被験者の行動に制限を与えず, 簡便なシステムが望まれる. このような条件を満たすため我々は, 喉頭マイクロフォンを応用した長時間測定が可能な嚥下回数測定デバイスを開発中である. 今回このデバイスを紹介し, 安静時, 食事時における信頼性を検討したので報告する. 【対象と方法】被験対象は, 健常成人10名とした. 嚥下回数の測定デバイスは接触型の喉頭マイクロフォンとMP3レコーダーを用いた. すなわち, 被験者の頚部(胸鎖乳突筋の前)にマイクロフォンを設置し, 喉頭音を採取し, その音声データをもとに回数を測定した. 各被験者の1. 安静時10分間, 2. 食事時(豚丼, お茶280cc)の喉頭音を上記デバイスを用いて記録した. 被験活動時には会話は禁止した. 2名の測定者(A, B)が, 記録された音声データの聴取および音声波形をもとに嚥下回数を測定した. 本デバイスの信頼性を検討するために, それぞれの測定者の測定結果と被験者の自己申告による嚥下回数との一致率を求めた. 【結果】各測定者の測定回数と被験者の自己申告との一致率は, 安静時では測定者A:96.4±5.2(%), 測定者B:98.0±4.6(%). 食事時では測定者A:94.6±5.2(%), 測定者B:95.1±7.5(%)であった. 【考察】今回の結果から, 本デバイスを用いて測定した嚥下回数と自己申告の嚥下回数の一致率は90%以上と高く, 本デバイスは安静時, 食事時の嚥下回数測定に有効であると考えられた. 今後は, 測定の自動化, 長時間化のために改良を進めていく予定である. |
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| ISSN: | 1343-8441 |