正常ラットの脳内各部位における活性酸素消去系の分布

脳虚血再灌流において, 従来より活性酸素形成による障害が指摘され, その消去系の役割が重要視されている. 一方で, 脳内各部位の虚血ならびに再灌流に対する脆弱性は一様ではなく, また我々が行った高気圧酸素毒性における実験でも, 部位による障害の差異が認められている. そこで今回我々は, 正常ラットを用い, 脳内における活性酸素消去系の分布を検討するため, 脳を6部位に分け, (1)総グルタチオン量, (2)SOD活性, (3)カタラーゼ活性を測定した. 〔方法〕雄性ウィスターラット12匹(285~310g, 各群n=4)を, ペントバルビタールにて麻酔し, 4℃の生理食塩水(生食)にて灌流・脱...

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Published in蘇生 Vol. 16; no. 3; p. 188
Main Authors 角南和治, 武田吉正, 平川方久
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本蘇生学会 01.09.1997
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ISSN0288-4348

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Summary:脳虚血再灌流において, 従来より活性酸素形成による障害が指摘され, その消去系の役割が重要視されている. 一方で, 脳内各部位の虚血ならびに再灌流に対する脆弱性は一様ではなく, また我々が行った高気圧酸素毒性における実験でも, 部位による障害の差異が認められている. そこで今回我々は, 正常ラットを用い, 脳内における活性酸素消去系の分布を検討するため, 脳を6部位に分け, (1)総グルタチオン量, (2)SOD活性, (3)カタラーゼ活性を測定した. 〔方法〕雄性ウィスターラット12匹(285~310g, 各群n=4)を, ペントバルビタールにて麻酔し, 4℃の生理食塩水(生食)にて灌流・脱血後, 脳を取り出し, 0℃の生食に浸しさらに上から4℃の生食を滴下しながら, 皮質, 海馬, 視床下部, 下丘, 小脳, 脳幹に分けた.
ISSN:0288-4348