マウス咀嚼筋における筋疲労, 浮腫性変化および痛みの関連に関する研究

「緒言」 歯科臨床において, 咀嚼筋の痛みを訴えて来院する患者は多く, その痛みは開口障害や咀嚼障害を引き起こし, 患者のQuality of Life(QOL)を著しく低下させている. しかしながら, 咀嚼筋における痛みのメカニズムについては不明な点が多く, また, 臨床における咀嚼筋の痛みに対する診断は問診, 触診などにより患者の主観に頼っているのが現状であり客観的な診断法は確立されていない. 近年, 咬筋の痛みに対して, 超音波装置やMR装置を用いて画像評価した報告が散見され, いずれの報告においても咬筋に痛みのある群では, 健常人に比べて, 筋の浮腫性変化がみられると述べられている....

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Published in歯科放射線 Vol. 54; no. 1/4; pp. 1 - 6
Main Authors 佐々城真, 飯久保正弘, 下里舞, 佐藤しづ子, 笹野高嗣
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本歯科放射線学会 31.12.2014
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ISSN0389-9705

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Summary:「緒言」 歯科臨床において, 咀嚼筋の痛みを訴えて来院する患者は多く, その痛みは開口障害や咀嚼障害を引き起こし, 患者のQuality of Life(QOL)を著しく低下させている. しかしながら, 咀嚼筋における痛みのメカニズムについては不明な点が多く, また, 臨床における咀嚼筋の痛みに対する診断は問診, 触診などにより患者の主観に頼っているのが現状であり客観的な診断法は確立されていない. 近年, 咬筋の痛みに対して, 超音波装置やMR装置を用いて画像評価した報告が散見され, いずれの報告においても咬筋に痛みのある群では, 健常人に比べて, 筋の浮腫性変化がみられると述べられている. 超音波装置を用いたArijiらの研究では, 痛みのある患者の咬筋は健常者と比較して, echogenic bandが消失している傾向があり, さらに厚みが増していることから浮腫性変化が起きていることが報告されている.
ISSN:0389-9705