セマグルチド皮下注により生じた消化器症状が経口セマグルチドへの変更により改善した1症例
「緒言」グルカゴン様ペプチド-1(glucagon-like peptide-1: 以下, GLP-1)受容体作動薬は, GLP-1受容体を介して血糖依存的に血糖降下作用を示し, 単独投与による低血糖リスクが低い薬剤である. 主な副作用として下痢, 便秘, 嘔気などの消化器症状が投与初期に認められることがあるが, これらの症状は継続使用により軽減するとされている. 本邦におけるGLP-1受容体作動薬は, 注射剤としてリラグルチド, エキセナチド, リキシセナチド, デュラグルチド, セマグルチドの5剤, 経口剤としてセマグルチドがある. これらGLP-1受容体作動薬はペプチド構造を有しており,...
Saved in:
Published in | 医薬品相互作用研究 Vol. 48; no. 1; pp. 13 - 17 |
---|---|
Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
医薬品相互作用研究会
30.06.2024
|
Online Access | Get full text |
ISSN | 0385-5015 |
Cover
Summary: | 「緒言」グルカゴン様ペプチド-1(glucagon-like peptide-1: 以下, GLP-1)受容体作動薬は, GLP-1受容体を介して血糖依存的に血糖降下作用を示し, 単独投与による低血糖リスクが低い薬剤である. 主な副作用として下痢, 便秘, 嘔気などの消化器症状が投与初期に認められることがあるが, これらの症状は継続使用により軽減するとされている. 本邦におけるGLP-1受容体作動薬は, 注射剤としてリラグルチド, エキセナチド, リキシセナチド, デュラグルチド, セマグルチドの5剤, 経口剤としてセマグルチドがある. これらGLP-1受容体作動薬はペプチド構造を有しており, 胃の蛋白質分解酵素等により分解されるため経口剤として適していなかったが, セマグルチドに胃酸中和作用のある吸収促進剤であるsodium N [-8(-2-hydroxybenzoyl) amino] caprylateを含有することで経口投与が可能となった. |
---|---|
ISSN: | 0385-5015 |