脳性麻痺におけるけいれん発作の管理

I. はじめに 本邦において, 脳性麻痺(以下CPと略す)は, 故高木憲次先生をはじめとする整形外科医の努力により, 大正年間から整形外科疾患としてとりあつかわれ, その機能改善のため, 機能訓練と手術及び生活指導が, 療育という名称のもと実践されてきたことは, 周知のところである. 近年, 医学の進歩は, CPの本来の症候である「運動機能と姿勢の異常」という病態を大きく変容させ, 従来から知られてはいるが, CPの随伴症候を伴うCP児が増加してきている. 表1は, 筆者の勤務する都立北療育園の外来初診患児の変遷である1). 最近になる程純粋のCPが減少し, 重複障害児としてのCP児の増加傾向...

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Published inリハビリテーション医学 Vol. 19; no. 3; pp. 177 - 186
Main Author 廿楽重信
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本リハビリテーション医学会 01.05.1982
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ISSN0034-351X

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Summary:I. はじめに 本邦において, 脳性麻痺(以下CPと略す)は, 故高木憲次先生をはじめとする整形外科医の努力により, 大正年間から整形外科疾患としてとりあつかわれ, その機能改善のため, 機能訓練と手術及び生活指導が, 療育という名称のもと実践されてきたことは, 周知のところである. 近年, 医学の進歩は, CPの本来の症候である「運動機能と姿勢の異常」という病態を大きく変容させ, 従来から知られてはいるが, CPの随伴症候を伴うCP児が増加してきている. 表1は, 筆者の勤務する都立北療育園の外来初診患児の変遷である1). 最近になる程純粋のCPが減少し, 重複障害児としてのCP児の増加傾向が知れる. CPの随伴症候の一つが, 今回与えられたテーマであるけいれんである. 第18回を迎えた日本リハビリテーション医学会という正式な学会で, たとえセミナーといえ, このようなテーマが選ばれたことは, 本邦におけるCP療育史上, 特筆に値すると筆者は考える. この課題を採択された今回の明石会長並びにプログラム委員にまずお礼を申し上げる.
ISSN:0034-351X