認知・行動療法と薬剤調整の開始時期の同期化 - HIV感染恐怖を伴う遷延したうつ病に対して

【はじめに】HIV感染恐怖を伴う遷延したうつ病に対して, 曝露法, 認知療法と薬剤調整の開始時期を同期化することにより回復に至った患者を経験したので, 若干の考察を加え報告する. 発表内容を一般論文にすることを予定しているため, 抄録では発表内容は簡潔に記し, コメントと議論の概要に多くのスペースを割くことにした. なお, 症例報告を行うことについては匿名を条件に患者本人より書面にて承諾を得, その旨を診療録に記載している. 【ケース概要】患者:50代後半, 男性 演者初診時診断:うつ病, 特定の恐怖症(HIV感染恐怖) 現病歴:X-4年5月頃より, 新しい職場での不安や両親の問題を契機にうつ...

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Published in行動療法研究 Vol. 42; no. 3; pp. 438 - 439
Main Authors 宮崎哲治, 熊野宏昭
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本認知・行動療法学会 30.09.2016
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ISSN0910-6529

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Summary:【はじめに】HIV感染恐怖を伴う遷延したうつ病に対して, 曝露法, 認知療法と薬剤調整の開始時期を同期化することにより回復に至った患者を経験したので, 若干の考察を加え報告する. 発表内容を一般論文にすることを予定しているため, 抄録では発表内容は簡潔に記し, コメントと議論の概要に多くのスペースを割くことにした. なお, 症例報告を行うことについては匿名を条件に患者本人より書面にて承諾を得, その旨を診療録に記載している. 【ケース概要】患者:50代後半, 男性 演者初診時診断:うつ病, 特定の恐怖症(HIV感染恐怖) 現病歴:X-4年5月頃より, 新しい職場での不安や両親の問題を契機にうつ状態を認め, 同年6月からA精神科診療所に通院. X-2年11月からはHIV感染恐怖も認めるようになった. X-1年10月20日, 自ら希望し, 演者が精神科非常勤医として勤務するB単科精神科病院に転院し, C医師が主治医となった.
ISSN:0910-6529