酸性尿酸アンモニウム結石の一例

「抄録」: 症例は44歳, 女性. 検診にて血清クレアチニン値の上昇(1.59mg/dL)を認めたため前医受診. 腹部エコーでは左水腎を認め, KUB・腹部CTにて左腎盂に長径36mm大・最大CT値550HUの結石を認め当科紹介となった. 血液検査では高尿酸血症, 低アルブミン血症, 低Na血症, 低K血症, 低Cl血症を認め, 低栄養状態が示唆された. Endoscopic Combined Intra renal Surgery (ECIRS)を施行し, 1期的に結石摘出を行った. 結石成分は95%以上の酸性尿酸アンモニウムであった. 本邦における酸性尿酸アンモニウム結石は非常に稀である....

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Published in西日本泌尿器科 Vol. 86; no. 3; pp. 136 - 139
Main Authors 清田明日香, 脊川卓也, 倉橋竜磨, 元島崇信, 村上洋嗣, 矢津田旬二, 杉山豊, 神波大己
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本泌尿器科学会 01.02.2024
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ISSN0029-0726

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Summary:「抄録」: 症例は44歳, 女性. 検診にて血清クレアチニン値の上昇(1.59mg/dL)を認めたため前医受診. 腹部エコーでは左水腎を認め, KUB・腹部CTにて左腎盂に長径36mm大・最大CT値550HUの結石を認め当科紹介となった. 血液検査では高尿酸血症, 低アルブミン血症, 低Na血症, 低K血症, 低Cl血症を認め, 低栄養状態が示唆された. Endoscopic Combined Intra renal Surgery (ECIRS)を施行し, 1期的に結石摘出を行った. 結石成分は95%以上の酸性尿酸アンモニウムであった. 本邦における酸性尿酸アンモニウム結石は非常に稀である. そのリスクとして脱水の持続, 慢性尿路感染症, 過尿酸尿症や低栄養があげられる. また, 近年では若い女性の神経性食思不振症との関連が指摘されている. 本症例も低栄養や脱水が酸性尿酸アンモニウム結石形成の原因と考えられた. 再発予防として食事指導や飲水指導を行い, 術後3カ月経過において結石の再発は認めていない.
ISSN:0029-0726