ガンマグロブリン療法を用いた免疫性多発ニューロパチーの1リハ経験

症例は63歳女性, 1999年6月1日先行する感冒症状の後, 6月6日四肢完全麻痺となった. 免疫吸着療法, ステロイドパルス療法が施行されたが, いずれも筋力の改善を認めなかった. 7月5日より大量ガンマグロブリン療法を施行したところ, 筋力が著明に改善した. 免疫性多発ニューロパチーと診断されリハ目的で9月24日当院転院となった. 入院時, 上肢下肢とも近位筋MMT 2~3, 遠位筋MMT 0~1レベル, 感覚障害なし. 寝返り介助, ADLほぼ全介助FIM56点であった. PT,OTに加え, 14,000mg/day×5日間の大量ガンマグロブリン療法を計3クール施行した. その結果, 3...

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Published inリハビリテーション医学 Vol. 37; no. 5; p. 295
Main Authors 橋本圭司, 猪飼哲夫, 植松海雲, 殷祥洙, 宮野佐年
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本リハビリテーション医学会 18.05.2000
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ISSN0034-351X

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Summary:症例は63歳女性, 1999年6月1日先行する感冒症状の後, 6月6日四肢完全麻痺となった. 免疫吸着療法, ステロイドパルス療法が施行されたが, いずれも筋力の改善を認めなかった. 7月5日より大量ガンマグロブリン療法を施行したところ, 筋力が著明に改善した. 免疫性多発ニューロパチーと診断されリハ目的で9月24日当院転院となった. 入院時, 上肢下肢とも近位筋MMT 2~3, 遠位筋MMT 0~1レベル, 感覚障害なし. 寝返り介助, ADLほぼ全介助FIM56点であった. PT,OTに加え, 14,000mg/day×5日間の大量ガンマグロブリン療法を計3クール施行した. その結果, 3カ月後の退院時には四肢近位筋MMT 4~5, 遠位筋MMT 1~2レベル, walkerにて屋内平地歩行自立FIM95点にまで著明な改善を認めた. 今回の症例では, 大量ガンマグロブリン療法を併用したリハビリテーションの施行が患者の四肢筋力, ADLの改善に寄与したと考えられた.
ISSN:0034-351X