妊産褥婦における尿失禁に関わる要因の検討

1. はじめに 現在, 日本の女性で尿失禁経験者は200万~400万人いると言われている. そしてその15~45%は腹圧性尿失禁であり, 関連要因としての加齢にくわえ, 妊娠を契機に発症することが多いとされ, 中高年の尿失禁経験者は増える傾向にある. 尿失禁はQOLを著しく損ねるものであり, 妊娠・分娩が影響するならその時期の予防的関わりが重要である. そこで, 今回は尿失禁に関する妊産褥婦の実態を明らかにし, その関連要因を検討することを目的とした. 2. 調査方法 (1)対象者:T県在住する出産後1ヶ月の褥婦51名 (2)方法:産後1ヶ月健診に来院した褥婦に, 調査の説明を行い同意が得られ...

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Published in理学療法科学 Vol. 22; no. suppl-1; pp. 17 - 18
Main Authors 田尻后子, 曽我部美恵子, 田村一代
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 理学療法科学学会 17.03.2007
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ISSN1341-1667

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Summary:1. はじめに 現在, 日本の女性で尿失禁経験者は200万~400万人いると言われている. そしてその15~45%は腹圧性尿失禁であり, 関連要因としての加齢にくわえ, 妊娠を契機に発症することが多いとされ, 中高年の尿失禁経験者は増える傾向にある. 尿失禁はQOLを著しく損ねるものであり, 妊娠・分娩が影響するならその時期の予防的関わりが重要である. そこで, 今回は尿失禁に関する妊産褥婦の実態を明らかにし, その関連要因を検討することを目的とした. 2. 調査方法 (1)対象者:T県在住する出産後1ヶ月の褥婦51名 (2)方法:産後1ヶ月健診に来院した褥婦に, 調査の説明を行い同意が得られた後, 研究者が作成した質問用紙(属性, 生活習慣, 尿失禁に関する項目合計21質問項目)を配布し, 診察終了後回収箱にて回収した. また, 分娩時データは入院カルテより情報収集した. (3)調査期間:2007年2月3日~27日 (4)回収率:100%. (5)統計解析:統計ソフトウエアSPSS12.0Jを用いてMann-Whitney検定およびSpearmanの相関係数を行い検討した.
ISSN:1341-1667