広汎な気管支結核を伴った縦隔・肺門リンパ節結核の1例

症例は67歳の女性. 発熱と右鎖骨上窩リンパ節腫脹を主訴に当院外科に入院した. 右鎖骨上窩リンパ節のaspration biopsyが2回施行されたが細胞診class Iで確診が得られず, また胸部レントゲン写真で縦隔, 肺門にリンパ節腫大を認めたため当科に紹介となった. 気管支鏡検査で気管支粘膜の広汎な発赤, 腫脹, 小結節と中葉入口部にポリボイド様腫瘤を認めたが喀痰, 気管支洗浄液でガフキーは陰性であった. 中葉入口部の腫瘤の生検で乾酪壊死を伴う類上皮細胞性肉芽腫とZiel-Neelsen染色で抗酸菌を認めた. 本症例は気管支結核を伴った縦隔・肺門リンパ節結核と診断した. 縦隔・肺門リンパ...

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Published in気管支学 Vol. 19; no. 5; p. 435
Main Authors 山崎啓一, 西森文美, 吉村信行, 月本光一, 別府穂積
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本気管支学会 25.07.1997
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ISSN0287-2137

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Summary:症例は67歳の女性. 発熱と右鎖骨上窩リンパ節腫脹を主訴に当院外科に入院した. 右鎖骨上窩リンパ節のaspration biopsyが2回施行されたが細胞診class Iで確診が得られず, また胸部レントゲン写真で縦隔, 肺門にリンパ節腫大を認めたため当科に紹介となった. 気管支鏡検査で気管支粘膜の広汎な発赤, 腫脹, 小結節と中葉入口部にポリボイド様腫瘤を認めたが喀痰, 気管支洗浄液でガフキーは陰性であった. 中葉入口部の腫瘤の生検で乾酪壊死を伴う類上皮細胞性肉芽腫とZiel-Neelsen染色で抗酸菌を認めた. 本症例は気管支結核を伴った縦隔・肺門リンパ節結核と診断した. 縦隔・肺門リンパ節結核は若年者の初感染に特有とされてきたが, 高齢者で, なおかつ広範囲な病変を伴った例は稀と考え報告した.
ISSN:0287-2137