膝OA患者の重心の側方移動制御能力について
【目的】変形性膝関節症(膝OA)の前額面上の姿勢制御能力の特徴について, 重心の側方移動を運動課題とし, 運動学・運動力学的分析により健常人と比較することを目的とした. 【対象と方法】対象は女性膝OA患者2名(膝OA群). 膝OAの病期分類はKellgren-Lawrence分類IとIV, 平均年齢は67±18.4歳. 健常女性2名(健常群), 平均年齢は23±3.5歳であった, 課題動作は, 立位にて重心の側方移動を実施. 表面筋電図にて両側の中殿筋及び大腿筋膜張筋を測定した. 被験者の身体各部位に計13ヶ所マーカー貼付し, 前方よりデジタルビデオカメラにて撮影. 得られた画像から課題動作中...
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Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 60; no. 4; p. 799 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
25.09.2011
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ISSN | 0037-1033 |
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Summary: | 【目的】変形性膝関節症(膝OA)の前額面上の姿勢制御能力の特徴について, 重心の側方移動を運動課題とし, 運動学・運動力学的分析により健常人と比較することを目的とした. 【対象と方法】対象は女性膝OA患者2名(膝OA群). 膝OAの病期分類はKellgren-Lawrence分類IとIV, 平均年齢は67±18.4歳. 健常女性2名(健常群), 平均年齢は23±3.5歳であった, 課題動作は, 立位にて重心の側方移動を実施. 表面筋電図にて両側の中殿筋及び大腿筋膜張筋を測定した. 被験者の身体各部位に計13ヶ所マーカー貼付し, 前方よりデジタルビデオカメラにて撮影. 得られた画像から課題動作中の身体体節角度を算出し, 各々の変化について検討した. 【結果】膝OA群の中殿筋と大腿筋膜張筋の%IEMGはともに増加する傾向が見られた. 関節角度の変化は, 膝OA群は体幹を重心の移動側に大きく傾斜させる傾向が見られた. 【考察】膝OA群の重心の側方移動の特徴は, 両股関節外転筋群の過剰収縮により股関節の運動性が低下し, 体幹側屈により体幹質量を変化させるようなHAT動作戦略による重心制御を行っていることが示唆された. |
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ISSN: | 0037-1033 |