診断に苦慮した高齢女性の左室右房交通症の1例
《Abstract》症例は80代女性. 労作時息切れを主訴に前医を受診, 聴診で汎収縮期雑音を認め, 精査加療目的に当院当科紹介となった. 経胸壁心エコー図検査では明らかな弁膜症やシャント血流を特定することはできなかった. その後, 経食道心臓超音波検査にて左室から右房へのシャント血流を認め, 左室造影では左室から右室へのシャント血流を認めた. 以上の所見から左室右房交通症の弁下型の可能性が高いと診断した. 左室右房交通症は先天性心疾患の中でも稀な疾患であり幼少期から心不全を繰り返し早期に外科的治療介入されることも多い. 今回我々が聴診を契機に精査され最終的に諸々の検査から確定診断に至った高齢...
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Published in | 心臓 Vol. 56; no. 10; pp. 972 - 978 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本心臓財団・日本循環器学会
15.10.2024
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ISSN | 0586-4488 |
Cover
Summary: | 《Abstract》症例は80代女性. 労作時息切れを主訴に前医を受診, 聴診で汎収縮期雑音を認め, 精査加療目的に当院当科紹介となった. 経胸壁心エコー図検査では明らかな弁膜症やシャント血流を特定することはできなかった. その後, 経食道心臓超音波検査にて左室から右房へのシャント血流を認め, 左室造影では左室から右室へのシャント血流を認めた. 以上の所見から左室右房交通症の弁下型の可能性が高いと診断した. 左室右房交通症は先天性心疾患の中でも稀な疾患であり幼少期から心不全を繰り返し早期に外科的治療介入されることも多い. 今回我々が聴診を契機に精査され最終的に諸々の検査から確定診断に至った高齢女性の左室右房交通症という非常に稀有な1例を経験したため報告する. |
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ISSN: | 0586-4488 |