(10)MLPA法で胚細胞変異が解明されたHNPCCの1例

症例は51歳の子宮内膜癌患者である. この家系の発端者は本患者の母で, 異時性多発大腸癌でS状結腸切除を受けた1979年からHNPCCとして追跡を行っていた. 発端者の同世代5人を含む3世代に渡って大腸癌が発生した事から臨床的に明らかなHNPCCであったが, これまでの遺伝子解析方法ではhMLH1, hMSH2共に胚細胞変異が認められず確定診断には至っていなかった. 追跡をはじめて25年. MLPA法という遺伝子解析方法によりhMLH1の胚細胞変異がようやく解明されたのである....

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in家族性腫瘍 Vol. 6; no. 1; p. 42
Main Authors 佐久間威之, 早瀬傑, 山田睦夫, 片方直人, 渡辺文明, 野水整, 片寄治男, 権田憲士, 菅野康吉, 竹之下誠一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本家族性腫瘍学会 15.01.2006
Online AccessGet full text
ISSN1346-1052

Cover

More Information
Summary:症例は51歳の子宮内膜癌患者である. この家系の発端者は本患者の母で, 異時性多発大腸癌でS状結腸切除を受けた1979年からHNPCCとして追跡を行っていた. 発端者の同世代5人を含む3世代に渡って大腸癌が発生した事から臨床的に明らかなHNPCCであったが, これまでの遺伝子解析方法ではhMLH1, hMSH2共に胚細胞変異が認められず確定診断には至っていなかった. 追跡をはじめて25年. MLPA法という遺伝子解析方法によりhMLH1の胚細胞変異がようやく解明されたのである.
ISSN:1346-1052