障害者歯科医療の臨床的指針に関する研究 - 術前検査における赤血球数およびその平均恒数の比較

「緒言」 近年, 社会福祉思想の変容とあいまって, 障害者に対する福祉が強く推し進められ, また, いわゆるノーマライゼーションなどの基本的概念がみられる情勢のなかでも, 障害者医療に対し高い関心が払われるようになってきた. 一方, 障害者の歯科医療には多くの困難が伴い, しかもリスクの高い患者が多いと考えられ勝ちのこともあって, 一般にはいまだに敬遠される傾向が強い. 1940年代後半, 米国で小児歯科が発足して以来, 障害児への関心が次第に高まり, 1950年代前半にかけてBooth, N. A., Smith, ER., Album, M. M. などにより全身麻酔が導入された. このこ...

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Published in神奈川歯学 Vol. 19; no. 4; pp. 341 - 359
Main Author 酒井信明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 神奈川歯科大学学会 30.03.1985
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ISSN0454-8302

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Summary:「緒言」 近年, 社会福祉思想の変容とあいまって, 障害者に対する福祉が強く推し進められ, また, いわゆるノーマライゼーションなどの基本的概念がみられる情勢のなかでも, 障害者医療に対し高い関心が払われるようになってきた. 一方, 障害者の歯科医療には多くの困難が伴い, しかもリスクの高い患者が多いと考えられ勝ちのこともあって, 一般にはいまだに敬遠される傾向が強い. 1940年代後半, 米国で小児歯科が発足して以来, 障害児への関心が次第に高まり, 1950年代前半にかけてBooth, N. A., Smith, ER., Album, M. M. などにより全身麻酔が導入された. このことは, 障害児の診療に際して行動管理上の困難性を克服する上で, 一つの解決を与えたことになる. 以来, 全身麻酔下での治療を推奨する流れと, 意識下での行動変容のもとに治療を行う流れとが2本柱となり, ときには競合し, ときには協調して発展して来ているようである.
ISSN:0454-8302