基礎看護学実習IIで学生が直面した学習困難
「要旨」 [目的] 臨地実習での学びは重要と言われているが, 学校を「やめたい」と思う場面として実習中を挙げる学生が最も多い. A校では, 臨地実習として, 基礎看護学実習I, II, 領域別実習, 統合実習を行う. 基礎看護学実習IIでは, 初めて看護過程の展開をする場であり, 困難を感じる場面が多いことが予測される. そこで, 本研究では, 基礎看護学実習IIで学生が直面した学習困難を明らかにする. [方法] A校4年生38名を対象とした. 自記式質問紙を作成し, 基礎看護学実習IIを経験した診療科や困難感の有無, 困難を感じた時と対処を調査した. 得られた調査結果を内容の類似性に基づき整...
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Published in | 四国医療専門学校紀要 no. 6; pp. 13 - 17 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
四国医療専門学校
31.03.2025
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ISSN | 2435-4562 |
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Summary: | 「要旨」 [目的] 臨地実習での学びは重要と言われているが, 学校を「やめたい」と思う場面として実習中を挙げる学生が最も多い. A校では, 臨地実習として, 基礎看護学実習I, II, 領域別実習, 統合実習を行う. 基礎看護学実習IIでは, 初めて看護過程の展開をする場であり, 困難を感じる場面が多いことが予測される. そこで, 本研究では, 基礎看護学実習IIで学生が直面した学習困難を明らかにする. [方法] A校4年生38名を対象とした. 自記式質問紙を作成し, 基礎看護学実習IIを経験した診療科や困難感の有無, 困難を感じた時と対処を調査した. 得られた調査結果を内容の類似性に基づき整理した. [結果] 回収率は92.1%, 有効回答率は89.5%であった. 27名(79%)の学生が基礎看護学実習IIで学習困難に直面していた. 分析の結果, 11の〈サブカテゴリ―〉, 4の【カテゴリー】が抽出された. 抽出されたカテゴリーは, 【疾患や看護に関する知識が不足していた】【思うように技術を提供できない】【記録が多くて対処できない】【実習グループでの活動が円滑に進まない】である. [考察] 基礎看護学実習IIでは, 既習の知識・技術を統合する必要があるため, 知識不足を実感する機会が多く, 困難を感じた. 在院日数の短縮化により, 学生が受け持ち患者を変更せざるを得ない状況も多々生じているため, 学生の実習における困難感に影響を与えたと考えられる. 看護過程の展開を初めて経験するため, 自身の目標達成に尽力しており, 他者まで目を向けられず, グループ活動に困難を感じた. |
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ISSN: | 2435-4562 |