ネフロロジー領域におけるトピックと薬物間相互作用による腎障害
「はじめに」近年の医療の進歩はめざましく, がん患者においても最先端の治療により無病生存期間が延び, がん生存者の数は増加している. これに伴い, 腎疾患の合併率は上昇してくることが予想される. 腎機能が低下したがん患者は特別なケアが必要であり, 抗がん薬治療に絞ってみても, 薬物選択, 用量調節, 副作用・腎毒性回避などといった考慮が必要となる. 事実, がん患者の高齢化が進み, がん診断時にすでに慢性腎臓病(CKD)というハイリスクであることに加え, がん患者では急性腎障害(AKI)のリスクが高いことが示唆されている. また, がん患者は心理的な意味での負担を強いられるリスクが高く, 生活...
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Published in | 医薬品相互作用研究 Vol. 47; no. 1; pp. 1 - 9 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
医薬品相互作用研究会
01.03.2023
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ISSN | 0385-5015 |
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Summary: | 「はじめに」近年の医療の進歩はめざましく, がん患者においても最先端の治療により無病生存期間が延び, がん生存者の数は増加している. これに伴い, 腎疾患の合併率は上昇してくることが予想される. 腎機能が低下したがん患者は特別なケアが必要であり, 抗がん薬治療に絞ってみても, 薬物選択, 用量調節, 副作用・腎毒性回避などといった考慮が必要となる. 事実, がん患者の高齢化が進み, がん診断時にすでに慢性腎臓病(CKD)というハイリスクであることに加え, がん患者では急性腎障害(AKI)のリスクが高いことが示唆されている. また, がん患者は心理的な意味での負担を強いられるリスクが高く, 生活の質(QOL)やそもそもの病状にも大きく影響を及ぼす. 一方で, CKD自体も, 身体的・心理的負担は大きく, 特に透析導入は大きなイベントとなり, うつや不安症の有病率は高いことがわかってきている. |
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ISSN: | 0385-5015 |