Dial Studyグループ : リンチ症候群における臨床ゲノム情報統合データベースの構築 (AMED事業)

「I. 研究の概要」Dial Studyは, リンチ症候群の診療に役立つ臨床ゲノム情報統合データベースを構築することを目的に, 2016年9月からAMED (日本医療研究開発機構)の支援を受けて実施されている多施設共同研究である. リンチ症候群は, 生殖細胞系列におけるDNAミスマッチ修復(MMR)遺伝子の病的変化により, 大腸癌や子宮内膜癌をはじめ, 様々な悪性腫瘍の発症リスクが上昇する常染色体優性遺伝性疾患である. 300人から500人程度に1人の割合で存在すると予測されるが, 多くの症例が臨床の現場で見逃されている. これまでに報告されているリンチ症候群の累積罹患率・各種がんの罹患年齢に...

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Published in家族性腫瘍 Vol. 19; no. 1; pp. 13 - 14
Main Authors 赤木究, リンチ症候群の拾い上げ及び遺伝子診断に関する多施設共同研究
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本遺伝性腫瘍学会 18.09.2019
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ISSN1346-1052

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Summary:「I. 研究の概要」Dial Studyは, リンチ症候群の診療に役立つ臨床ゲノム情報統合データベースを構築することを目的に, 2016年9月からAMED (日本医療研究開発機構)の支援を受けて実施されている多施設共同研究である. リンチ症候群は, 生殖細胞系列におけるDNAミスマッチ修復(MMR)遺伝子の病的変化により, 大腸癌や子宮内膜癌をはじめ, 様々な悪性腫瘍の発症リスクが上昇する常染色体優性遺伝性疾患である. 300人から500人程度に1人の割合で存在すると予測されるが, 多くの症例が臨床の現場で見逃されている. これまでに報告されているリンチ症候群の累積罹患率・各種がんの罹患年齢に関するデータは, ほとんどが欧米のものであり, 日本人のリンチ症候群に関する報告は, 少数施設から小規模なのものに限られている. 本プロジェクトでは, (1)効率的なリンチ症候群疑い症例の拾い上げ, (2)それらの症例に対する遺伝子診断の実施, (3)臨床データ集積, (4)リンチ症候群と類縁疾患の鑑別診断法の確立について研究開発を行った.
ISSN:1346-1052