植込型補助人工心臓Jarvik2000装着患者の深夜緊急入院の対応

「要旨」 当院では補助人工心臓(ventricular assist system: VAS)の使用経験は体外式のみであり, 植込型はない. その中で, 植込型VAS(Jarvik2000)装着患者が, 脳出血を合併し, 深夜に緊急入院となった症例を経験した. 当院では近隣のVAS装着患者の情報を, 医師からコメディカルに伝えるシステムはなく, 患者およびVAS装置を管理する上で必要なプロトコルもない. そのため, 暫定的に記録用紙・バッテリー交換手順書を作成し, 交換方法を集中治療室(ICU)看護師に指導した. 翌日, 当該装置の詳細な情報をメーカーより入手し, プロトコルを作成した. 今後...

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Published in体外循環技術 Vol. 43; no. 4; pp. 380 - 382
Main Authors 井口亮介, 小岸拓哉, 奥野渉, 玉岡弘充, 八木健太, 奥山浩幸, 山口さよ子, 北村拡
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本体外循環技術医学会 01.12.2016
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ISSN0912-2664

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Summary:「要旨」 当院では補助人工心臓(ventricular assist system: VAS)の使用経験は体外式のみであり, 植込型はない. その中で, 植込型VAS(Jarvik2000)装着患者が, 脳出血を合併し, 深夜に緊急入院となった症例を経験した. 当院では近隣のVAS装着患者の情報を, 医師からコメディカルに伝えるシステムはなく, 患者およびVAS装置を管理する上で必要なプロトコルもない. そのため, 暫定的に記録用紙・バッテリー交換手順書を作成し, 交換方法を集中治療室(ICU)看護師に指導した. 翌日, 当該装置の詳細な情報をメーカーより入手し, プロトコルを作成した. 今後植込型VASがDestination Therapy (DT)へ適応された場合, 地方へ帰郷する患者が増加すると考える. そのような患者を地方で受け入れるには, 医師との連携を構築し, 患者の情報を得る必要があると考える. VAS使用経験が少ない当施設では, VASの技術的な知識を得ることが困難である. そのためMEが, セミナーおよび研修に参加し, 習得した知識をICU看護師, 医師に発信する必要があると考える.
ISSN:0912-2664