APSからTransitional Pain Service (TPS) に繋げる時代へ

「はじめに」手術患者の生活の質(QOL)を大きく損失する合併症として, 術後長期にわたり遷延する疼痛があり, 慢性術後痛(chronic postsurgical pain:CPSP), 遷延性術後痛(persistent postsurgical pain:PPSP)などと表現される. 世界保健機関(WHO)の新しい国際疾病分類ICD-11において「慢性疼痛分類」は独立した項目として承認されており, 慢性疼痛は「3カ月以上継続または繰り返す疼痛」として定義され, その中で術後疼痛は「慢性術後および外傷後疼痛」として, 独立した大項目として掲載されている. したがって, 術後少なくとも3カ月持...

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Published inPAIN RESEARCH Vol. 36; no. 2; pp. 109 - 116
Main Authors 山口敬介, 斎藤貴幸, 飯田史絵, 河邉千佳, 田中英文, 前田剛, 井関雅子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本疼痛学会 30.07.2021
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ISSN0915-8588

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Summary:「はじめに」手術患者の生活の質(QOL)を大きく損失する合併症として, 術後長期にわたり遷延する疼痛があり, 慢性術後痛(chronic postsurgical pain:CPSP), 遷延性術後痛(persistent postsurgical pain:PPSP)などと表現される. 世界保健機関(WHO)の新しい国際疾病分類ICD-11において「慢性疼痛分類」は独立した項目として承認されており, 慢性疼痛は「3カ月以上継続または繰り返す疼痛」として定義され, その中で術後疼痛は「慢性術後および外傷後疼痛」として, 独立した大項目として掲載されている. したがって, 術後少なくとも3カ月持続する痛みを「慢性術後痛」と統一された定義として, 今後使用されることが予想される. これまでの疫学研究によると, CPSPは手術患者の10~50%に発症し, そのうち2~10%は日常生活に支障をきたす重症な痛みであると報告されている.
ISSN:0915-8588