緊急避妊薬の規制に関する課題と展望

「1. はじめに」 緊急避妊薬Emergency Contraceptive Pills(以下ECPという)は, 避妊せずに行われた性交, または避妊手段が失敗した可能性がある性交後に緊急的に服用する薬剤であり, WHOのエッセンシャルドラッグには, レボノルゲストレルを成分とする薬剤と, ウリプリスタル酢酸エステルを成分とする薬剤が指定されている. いずれの薬剤も, 排卵の阻止もしくは延期により避妊効果を発揮するとされている. また最近改訂されたWHO Guideline on Self-care Interventions for Health and Well-beingでは, 希望する...

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Published in医薬品相互作用研究 Vol. 48; no. 2; pp. 47 - 55
Main Authors 亀井美和子, 齋藤カルメン, 中島理恵, 長津雅則, 小林江梨子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 医薬品相互作用研究会 30.09.2024
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ISSN0385-5015

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Summary:「1. はじめに」 緊急避妊薬Emergency Contraceptive Pills(以下ECPという)は, 避妊せずに行われた性交, または避妊手段が失敗した可能性がある性交後に緊急的に服用する薬剤であり, WHOのエッセンシャルドラッグには, レボノルゲストレルを成分とする薬剤と, ウリプリスタル酢酸エステルを成分とする薬剤が指定されている. いずれの薬剤も, 排卵の阻止もしくは延期により避妊効果を発揮するとされている. また最近改訂されたWHO Guideline on Self-care Interventions for Health and Well-beingでは, 希望する人に処方箋なしでECPが入手可能となるよう勧告されている. 海外の状況をみると, 約90か国・地域において, 処方箋なしでECPが入手可能となっている. 我が国では, 2011年に国内で初めて緊急避妊薬としてノルレボゲストレル0.75mg含有製剤が処方箋医薬品として承認・販売開始され, その後, 2016年に1.5mg含有製剤が承認・販売開始, 2019年にはその後発医薬品が承認・販売開始された.
ISSN:0385-5015