YAGレーザーが有効であった悪性リンパ腫による気道閉塞の1例

症例は65歳, 男性. 2006年, 悪性リンパ腫(Mantle cell lymphoma stage III)にて当院血液内科で寛解が導入され通院中, 2007年7月. 呼吸困難で入院し, 胸部CT上縦隔リンパ節腫大と左主気管支の閉塞を認めた. 入院翌日急激な呼吸不全に陥り人工呼吸管理となった. 気管支鏡にて内腔観察したところ, 左主気管支は乳頭状ポリープにより完全閉塞し, 同部位の生検にて悪性リンパ腫が確認された. 同病変に対し, 挿管チューブ下にYAGレーザーで焼灼しバルーンで内腔を拡張後 カバードステントを留置した. これにより呼吸不全は速やかに改善し, その後化学療法(THP-CV...

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Published in気管支学 Vol. 30; no. 4; p. 232
Main Authors 林誠, 土屋裕, 倉石博, 岩崎拓也, 山口史博, 山下潤, 武田純一, 大眉寿々子, 菊池敏樹, 冨田尚吾, 國分二三男, 臼田亮介, 鈴木隆, 光谷俊幸, 高橋和久
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本呼吸器内視鏡学会 25.07.2008
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ISSN0287-2137

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Summary:症例は65歳, 男性. 2006年, 悪性リンパ腫(Mantle cell lymphoma stage III)にて当院血液内科で寛解が導入され通院中, 2007年7月. 呼吸困難で入院し, 胸部CT上縦隔リンパ節腫大と左主気管支の閉塞を認めた. 入院翌日急激な呼吸不全に陥り人工呼吸管理となった. 気管支鏡にて内腔観察したところ, 左主気管支は乳頭状ポリープにより完全閉塞し, 同部位の生検にて悪性リンパ腫が確認された. 同病変に対し, 挿管チューブ下にYAGレーザーで焼灼しバルーンで内腔を拡張後 カバードステントを留置した. これにより呼吸不全は速やかに改善し, その後化学療法(THP-CVP療法)を行った. 気管支鏡にて再度内腔観察したところ, リンパ腫は消失し内腔は保たれていた. 気管支を閉塞する悪性リンパ腫病変に対し, レーザー焼灼後ステント留置を行い著明に呼吸不全の改善を認めた1例について報告する.
ISSN:0287-2137