極細径気管支鏡にて術前診断を得た肺カルチノイドの1例

症例は31歳の男性, 検診にて胸部異常影を指摘され定期的にレントゲンのfollowを受けていたが, 増大傾向を認めたため本院へ紹介, 精査目的で入院となる. 胸部レントゲンにて左中肺野, 胸部CTにて舌区に結節影がみられ, 気管支鏡を行ったが可視範囲に異常は認めなかった. 極細径気管支鏡にて左B^4 biiαyを閉塞する病変を認めた. 直視下に生検を施行しカルテノイドと診断, 術後診断にても同様の結果が得られた. 結節は肺門近傍に存在し, CTガイド下経皮的肺生検の施行は困難と考えられた. 生検鉗子は病変を通過し極細径気管支鏡を用いて直視下に生検を行ったことが術前診断につながった症例と思われ,...

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Published in気管支学 Vol. 24; no. 1; p. 59
Main Authors 田巻庸道, 櫻本稔, 種田和清, 田口善夫, 田中栄作, 井上哲郎, 加藤晃史, 前田勇司, 寺田邦彦, 橋陽一郎, 一瀬増太郎, 神頭徹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本気管支学会 25.01.2002
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ISSN0287-2137

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Summary:症例は31歳の男性, 検診にて胸部異常影を指摘され定期的にレントゲンのfollowを受けていたが, 増大傾向を認めたため本院へ紹介, 精査目的で入院となる. 胸部レントゲンにて左中肺野, 胸部CTにて舌区に結節影がみられ, 気管支鏡を行ったが可視範囲に異常は認めなかった. 極細径気管支鏡にて左B^4 biiαyを閉塞する病変を認めた. 直視下に生検を施行しカルテノイドと診断, 術後診断にても同様の結果が得られた. 結節は肺門近傍に存在し, CTガイド下経皮的肺生検の施行は困難と考えられた. 生検鉗子は病変を通過し極細径気管支鏡を用いて直視下に生検を行ったことが術前診断につながった症例と思われ, 極細径気管支鏡の今後の応用が期待された.
ISSN:0287-2137