東北労災病院におけるFESの経験
当院では平成5~9年に31例の脊髄損傷や脳卒中患者にTES,FESを適応して麻痺肢の機能改善および機能再建を図ってきた. 今回は頸髄損傷患者に対して経皮電極を用いたTES,FESをビデオで紹介する. 1. 頸髄損傷患者の麻痺上肢に対するTES 症例1)頸髄損傷患者(Frankel D):左手指の伸展障害の改善を目的にTESを施行した. TES6ヵ月後手指の完全伸展が可能となりADLが拡大した. 症例2)頸髄損傷患者(C7 Frankel C):手指の伸展拘縮によりテノデーシスによる物の把持が不能のためその改善を目的にTESを施行した. TES6ヵ月後, 手指の伸展拘縮の改善によりテノデーシスに...
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Published in | リハビリテーション医学 Vol. 35; no. 12; p. 1020 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本リハビリテーション医学会
18.12.1998
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ISSN | 0034-351X |
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Summary: | 当院では平成5~9年に31例の脊髄損傷や脳卒中患者にTES,FESを適応して麻痺肢の機能改善および機能再建を図ってきた. 今回は頸髄損傷患者に対して経皮電極を用いたTES,FESをビデオで紹介する. 1. 頸髄損傷患者の麻痺上肢に対するTES 症例1)頸髄損傷患者(Frankel D):左手指の伸展障害の改善を目的にTESを施行した. TES6ヵ月後手指の完全伸展が可能となりADLが拡大した. 症例2)頸髄損傷患者(C7 Frankel C):手指の伸展拘縮によりテノデーシスによる物の把持が不能のためその改善を目的にTESを施行した. TES6ヵ月後, 手指の伸展拘縮の改善によりテノデーシスによるボール, コップの把持などが可能となり多くのADLを獲得することができた. 2. 頸髄損傷患者の麻痺上肢に対するFES制御 症例1)C6四肢麻痺患者の制御:ボタンスイッチによりペンを把持し書字動作を獲得した. 症例2)C5四肢麻痺患者の制御:cock up splintを用いボタンスイッチによりボールの把持などを獲得した. 症例3)C4四肢麻痺患者の制御:呼気吸気式FES制御でBFO(Balanced forearm orthosis)を使用し積木動作, 食事動作などを獲得した. 3. 頸髄損傷患者(C8 Frankel C)の起立, 歩行のFES制御:ボタンスイッチにより起立, 歩行を再建した. |
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ISSN: | 0034-351X |