活性型ビタミンD3外用により急性腎不全を発症した尋常性乾癬の1例

活性型ビタミンD3外用療法が尋常性乾癬治療の主要な位置を占める一方で, 副作用として高Ca血症がある. 我々は, 活性型ビタミンD3外用使用により高Ca血症から急性腎不全となった症例を経験したので報告する. 症例は39歳, 男性. 37歳時より尋常性乾癬の診断にて活性型ビタミンD3外用剤による治療が行われていた. 2006年4月頃より, 全身倦怠感・食欲不振を認め, 8月22日当院内科受診. 血液検査にて高Ca血症, 腎機能障害を認めたため同日当科紹介, 精査加療目的にて入院となった. 全身に広範囲に広がる鱗屑を伴う紅斑を認め, マキサカルシトール外用剤を使用しており, 高Ca血症の原因と考え...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in山口医学 Vol. 56; no. 6; p. 231
Main Authors 是永佳仁, 廣吉俊弥, 荒巻和伸, 三井博, 那須誉人, 林田重昭, 高井公雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 山口大学医学会 31.12.2007
Online AccessGet full text
ISSN0513-1731

Cover

More Information
Summary:活性型ビタミンD3外用療法が尋常性乾癬治療の主要な位置を占める一方で, 副作用として高Ca血症がある. 我々は, 活性型ビタミンD3外用使用により高Ca血症から急性腎不全となった症例を経験したので報告する. 症例は39歳, 男性. 37歳時より尋常性乾癬の診断にて活性型ビタミンD3外用剤による治療が行われていた. 2006年4月頃より, 全身倦怠感・食欲不振を認め, 8月22日当院内科受診. 血液検査にて高Ca血症, 腎機能障害を認めたため同日当科紹介, 精査加療目的にて入院となった. 全身に広範囲に広がる鱗屑を伴う紅斑を認め, マキサカルシトール外用剤を使用しており, 高Ca血症の原因と考え直ちに中止し安静・補液を行ったところ, 血清Ca値も速やかに下降し, 腎機能も徐々に回復した. 活性型ビタミンD3外用剤を使用する場合, 高Ca血症から急性腎不全になる可能性があることを常に念頭に置き, 定期的に血清Ca値をモニタリングする必要がある.
ISSN:0513-1731