高橋論文に対するEditorial Comment

シロリムスはインターロイキン2が媒介する信号伝達を阻害して細胞周期を休止させ,リンパ球の活性化や平滑筋細胞の増殖を抑制することにより冠動脈ステント留置後の新生内膜増殖を抑制しうる1).シロリムス溶出性ステント(sirolimus eluting stent;SES)と従来の金属ステント(bare metal stent;BMS)との比較については,すでに欧米において一般臨床使用認可の根拠となっている論文が出されている.2000年に行われたRAVEL試験(randomized study with the sirolimus-coated Bx Velocity balloon-expandab...

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Published in心臓 Vol. 39; no. 5; pp. 454 - 455
Main Author 小宮山伸之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本心臓財団 15.05.2007
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ISSN0586-4488

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Summary:シロリムスはインターロイキン2が媒介する信号伝達を阻害して細胞周期を休止させ,リンパ球の活性化や平滑筋細胞の増殖を抑制することにより冠動脈ステント留置後の新生内膜増殖を抑制しうる1).シロリムス溶出性ステント(sirolimus eluting stent;SES)と従来の金属ステント(bare metal stent;BMS)との比較については,すでに欧米において一般臨床使用認可の根拠となっている論文が出されている.2000年に行われたRAVEL試験(randomized study with the sirolimus-coated Bx Velocity balloon-expandable stent in the treatment of patients with de novo native coronary artery lesions)では各群約120症例について無作為二重盲検法を用いて薬剤のslow releaseタイプのSESとBMSの成績を比較した2).対象病変はACC/AHA分類のタイプA,B1病変が約40%,B2病変が約60%であったが,6カ月後の再狭窄率はBMSの26%に対してSESでは0%であり,1年後のMACE(major cardiac event)はBMS 28.8%に対してSES 5.8%であった.
ISSN:0586-4488