腎移植前患者に施行したリンフォフェレーシスと胸管ドレナージの末梢白血球に及ぼす影響

我々は生体腎移植において移植腎生着の悪いリン球混合培養(MLC)SI値の高い患者にリンフォレーシス(LP)と胸管ドレナージ(TDD)を移植前処置として行った. LPを行ったのは2例でIBMセルセパレーターにより透析中に末梢血から36~38回にわたり1回500mlづつリンパ球分画を採取した. TDDを行ったのは3例で胸管にカテーテルを留置してリンパ液を1日当り3l採取し, 凍結融解によりリンパ球を破壊した後点滴静注により還えすことを1ヵ月間くり返した. 採取したリンパ球数はTDDで初回12×10^9 /日から終了時1×10^9 /日と漸減はしたが, LPでも初回26×10^9 /回から漸減はした...

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 29; no. 6; p. 722
Main Authors 赤座達也, 河合真千夫, 打田和治, 山田宣夫, 冨永芳博, 加納忠行, 高木弘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血学会 1984
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ISSN0546-1448

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Summary:我々は生体腎移植において移植腎生着の悪いリン球混合培養(MLC)SI値の高い患者にリンフォレーシス(LP)と胸管ドレナージ(TDD)を移植前処置として行った. LPを行ったのは2例でIBMセルセパレーターにより透析中に末梢血から36~38回にわたり1回500mlづつリンパ球分画を採取した. TDDを行ったのは3例で胸管にカテーテルを留置してリンパ液を1日当り3l採取し, 凍結融解によりリンパ球を破壊した後点滴静注により還えすことを1ヵ月間くり返した. 採取したリンパ球数はTDDで初回12×10^9 /日から終了時1×10^9 /日と漸減はしたが, LPでも初回26×10^9 /回から漸減はしたが総数ではLPが終かった. 今回この両者について, 採取した細胞数と性状, 末梢血中の白血球とその性状及びモノクロナール抗体による解析を試みたので報告したい. この5例は現在拒絶反応もなく良好な腎機能にて全例生着している.
ISSN:0546-1448