全良導絡測定における陽極導子の検討
日本良導絡医学会第7回学術大会(宮城)において, 円柱型握り導子と心電図測定に用いる四肢導子の両面に銅板を貼付したクリップ式導子(以後ダブル導子という)を用いた全良導絡測定の比較検討を行い, 握り導子を握っての測定とダブル導子で手掌部を挟んで測定した結果は全良導絡平均電流量値, 各良導絡平均電流量値において両者間に有意差はなく, 各良導絡通電電流量の因子分析でも類似性のあるグループ化が見られたことから, 握り導子に替えてダブル導子を用いての全良導絡測定も可能であることが示唆されたことを報告した. また, ダブル導子で前腕部を挟む方法は, 臨床的に全良導絡測定に適さないことを確認し, プラス導子...
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          | Published in | 日本鍼灸良導絡医学会誌 Vol. 27; no. 4; p. 26 | 
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| Main Authors | , , , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            日本良導絡神経学会
    
        01.09.1999
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| ISSN | 0286-1631 | 
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| Summary: | 日本良導絡医学会第7回学術大会(宮城)において, 円柱型握り導子と心電図測定に用いる四肢導子の両面に銅板を貼付したクリップ式導子(以後ダブル導子という)を用いた全良導絡測定の比較検討を行い, 握り導子を握っての測定とダブル導子で手掌部を挟んで測定した結果は全良導絡平均電流量値, 各良導絡平均電流量値において両者間に有意差はなく, 各良導絡通電電流量の因子分析でも類似性のあるグループ化が見られたことから, 握り導子に替えてダブル導子を用いての全良導絡測定も可能であることが示唆されたことを報告した. また, ダブル導子で前腕部を挟む方法は, 臨床的に全良導絡測定に適さないことを確認し, プラス導子の接触部位は, 精神性発汗と関係深い手掌部であることが条件的に適していることが示唆されたことも同時に報告した. 握り導子の表面積は56平方センチメートル) (7.2cm×7.7cm), ダブル導子の面積は42平方センチメートル(3cm×7cm×2)で後者の方が14平方センチメートル狭く, 導子の面積に差が見られる. そこで, 面積はダブル導子より狭くなるが, 手掌部のみに3cm×7cmの銅板を貼付したクリップ式導子(以後シングル導子という)を制作し, この3種類のプラス導子を用いて全良導絡測定の実験を行い, 比較検討を行ったので報告する. 【方法】 三種類の導子を用いて同一被験者の全良導絡測定を連続的に行った. 各導子の使用の順番は無作為に選んで実施した. 被験者は男10名, 女5名, 合計15名, 症例数は53症例, 平均年齢44.4歳±14.9である. 測定は, ノイロメーターD-401の改良型メモレーダーを用いて測定の時間帯, 測定日を変えて行った. 統計処理は, 全良導絡と各良導絡の平均電流量を求めてt検定を行い, p<0.05を有意とした. また, 多変量解析の手法による因子分析を行い, さらに異常良導絡の出現頻度の検討を行った. 【結果】 各導子を用いて全良導絡測定を行った結果, 全良導絡平均値は握り導子とダブル導子の間に, また各良導絡平均値ではH系良導絡に統計的有意差が見られたが, 実質的有意差は認められなかった. すなわち, 各導子の全良導絡測定における良導絡パターンには相関性のある変動を示していることが確認された. また異常良導絡の出現頻度パターンにも類似性が見られた. 因子分析においても類似するパターンが得られた. 【考察】 握り導子, ダブル導子, シングル導子の3種類を用いて全良導絡測定を行った結果では, 臨床的には問題のないことが考えられる. 測定導子の接触面積は直径1cmと一定であるが, 握り導子は被験者の握り方や感覚によって接触面積に変化を生ずることが考えられる. しかしクリップ式は被験者の感覚に頼ることなく, 一定の圧で接触することができる利点がある. 今後は, 接触面積との関係を検討したいと考えている. | 
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| ISSN: | 0286-1631 |