X線写真からみた根管充填歯における根尖病巣の有病率
根管治療を受けた歯は, 健全歯より抜歯にいたるケースが多い. 抜歯を防ぐために, できるだけ根管充填歯を減らす必要がある. 1998年6月から1年間に岡山大学歯学部附属病院を受診した初診患者のうち, 全顎標準X線写真を撮影した672名を対象にした. X線写真上で根管充填歯の分布と, 根尖病巣の有病率をPeriapical Indexを用いて調査した. その結果, 1歯以上の根尖病巣を認めた者は対象者の約70%であった. 根尖病巣の有病率と最も関連の強かった因子は過剰根充と下顎切歯であった. 本研究での根管充填歯の割合は諸外国に比べて高く, 根尖病巣の有歯率は同程度であった. 根管充填割合の高い...
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          | Published in | 口腔衛生学会雑誌 Vol. 55; no. 5; p. 631 | 
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| Main Authors | , , , , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            日本口腔衛生学会
    
        30.10.2005
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| ISSN | 0023-2831 | 
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| Summary: | 根管治療を受けた歯は, 健全歯より抜歯にいたるケースが多い. 抜歯を防ぐために, できるだけ根管充填歯を減らす必要がある. 1998年6月から1年間に岡山大学歯学部附属病院を受診した初診患者のうち, 全顎標準X線写真を撮影した672名を対象にした. X線写真上で根管充填歯の分布と, 根尖病巣の有病率をPeriapical Indexを用いて調査した. その結果, 1歯以上の根尖病巣を認めた者は対象者の約70%であった. 根尖病巣の有病率と最も関連の強かった因子は過剰根充と下顎切歯であった. 本研究での根管充填歯の割合は諸外国に比べて高く, 根尖病巣の有歯率は同程度であった. 根管充填割合の高い要因として日本は国民皆保険で治療を受けやすいこと, 治療費が諸外国よりも安いことであるかもしれない. また不足根充は適正根充よりも病巣有歯率が低かった. 臨床的には適正根充がよいとされており, この点はさらなる検討が必要である. | 
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| ISSN: | 0023-2831 |