(3)当科における多発大腸ポリープおよび大腸腺腫症に対するAPC遺伝子診断

家族性大腸腺種症は, 10歳代から発症する大腸に多発する腺腫性ポリープが特徴的で, 放置すると40歳で約半数に大腸癌が発生する浸透率がほぼ100%の常染色体優性遺伝形式の遺伝性腫瘍であり, その原因遺伝子はAPC遺伝子である. これまで我々はストップコドンアッセイを用いて多発大腸ポリープおよび大腸腺腫症に対するAPC遺伝子診断を行ってきた. これまでのストップコドンアッセイは, コドン1748まで(翻訳領域全長の約60%)をカバーするもので, 報告されている変異のほとんどをカバーするが, まれによりC末端側の変異が報告されていることから, 今回翻訳領域全長をカバーするアッセイ系を新たに構築した...

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Published in家族性腫瘍 Vol. 6; no. 1; p. 40
Main Authors 酒寄真人, 石岡千加史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本家族性腫瘍学会 15.01.2006
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ISSN1346-1052

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Summary:家族性大腸腺種症は, 10歳代から発症する大腸に多発する腺腫性ポリープが特徴的で, 放置すると40歳で約半数に大腸癌が発生する浸透率がほぼ100%の常染色体優性遺伝形式の遺伝性腫瘍であり, その原因遺伝子はAPC遺伝子である. これまで我々はストップコドンアッセイを用いて多発大腸ポリープおよび大腸腺腫症に対するAPC遺伝子診断を行ってきた. これまでのストップコドンアッセイは, コドン1748まで(翻訳領域全長の約60%)をカバーするもので, 報告されている変異のほとんどをカバーするが, まれによりC末端側の変異が報告されていることから, 今回翻訳領域全長をカバーするアッセイ系を新たに構築した. この新たに構築したストップコドンアッセイと, これを用いた7家系のAPC遺伝子診断の結果について報告する.
ISSN:1346-1052