気道狭窄を伴った再発性多発性軟骨炎の1例

症例は44歳, 男性. 約7年前に耳介の炎症により発症, 近医で再発性多発性軟骨炎と診断されPSLとMTXの投与を開始された. 約3年前より喘息様の発作性呼吸困難を認め, 徐々に増悪したため当科受診した. 気管支鏡的に粘膜は正常, 気管断面は五角形に変形していた. 左主気管支は気管支軟骨の消失とテーパリング様の固定性狭窄を認めた. 狭窄は呼気時に増悪した. 狭窄部位の立体的把握に3次元CTが有用であった. 末梢気管支の開存性を確認後, 左主気管支にシリコン製デュモンステントを挿入したところ, 発作性呼吸困難は消失した. 本症は全身の軟骨組織が系統的に障害される原因不明の稀な疾患で, 声門, 喉...

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Published in気管支学 Vol. 21; no. 4; pp. 313 - 314
Main Authors 清川浩, 國澤晃, 千葉真弓, 長谷川英男, 市瀬裕一, 古川欣也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本気管支学会 25.05.1999
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ISSN0287-2137

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Summary:症例は44歳, 男性. 約7年前に耳介の炎症により発症, 近医で再発性多発性軟骨炎と診断されPSLとMTXの投与を開始された. 約3年前より喘息様の発作性呼吸困難を認め, 徐々に増悪したため当科受診した. 気管支鏡的に粘膜は正常, 気管断面は五角形に変形していた. 左主気管支は気管支軟骨の消失とテーパリング様の固定性狭窄を認めた. 狭窄は呼気時に増悪した. 狭窄部位の立体的把握に3次元CTが有用であった. 末梢気管支の開存性を確認後, 左主気管支にシリコン製デュモンステントを挿入したところ, 発作性呼吸困難は消失した. 本症は全身の軟骨組織が系統的に障害される原因不明の稀な疾患で, 声門, 喉頭病変が先行した場合確定診断以前に死亡する危険性もあり, 注意が必要である.
ISSN:0287-2137