企業における歯科検診と保健活動について

一企業において歯科保健事業の一環として歯科検診などの口腔保健活動を行い, 約十余年経過した. 初期は主に齲蝕診査を行っていたが, 成人を対象とするため歯周病検診が特に必要と考えられた. そこで中期ではCPITNによる歯周ポケット診査を取り入れた. 近年では再び齲蝕診査を行っている. 成人病のリスクが高い中年層に対しては一日健診を実施し, 個別に内科健診にあわせて口腔衛生指導, 口腔診査を行うようにした. また, 検診後の事後措置として, 治療の必要性から企業内に歯科診療室を開設し, 治療にあたっている. その結果前回の検診では1人平均未処置歯数が1.17本(全国平均1.89本, 1987年当事...

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Published in口腔衛生学会雑誌 Vol. 49; no. 1; p. 126
Main Authors 曽山善之, 中川秀昭
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本口腔衛生学会 30.01.1999
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ISSN0023-2831

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Summary:一企業において歯科保健事業の一環として歯科検診などの口腔保健活動を行い, 約十余年経過した. 初期は主に齲蝕診査を行っていたが, 成人を対象とするため歯周病検診が特に必要と考えられた. そこで中期ではCPITNによる歯周ポケット診査を取り入れた. 近年では再び齲蝕診査を行っている. 成人病のリスクが高い中年層に対しては一日健診を実施し, 個別に内科健診にあわせて口腔衛生指導, 口腔診査を行うようにした. また, 検診後の事後措置として, 治療の必要性から企業内に歯科診療室を開設し, 治療にあたっている. その結果前回の検診では1人平均未処置歯数が1.17本(全国平均1.89本, 1987年当事業所1.79本), 喪失歯数2.32本(同4.43本, 3.18本), 処置歯数11.31本(同9.91本, 11.39本), DMFT指数14.82本(同16.23本, 16.36本)といずれも平均より良い結果となった. しかし齲蝕有病者が99.1%と依然として高く, 今後, プライマリーケアの確立が必要である.
ISSN:0023-2831