輸血による同種抗体の産生と副作用, 血小板輸血の効果とその経過
頻回輸血患者は, 同種抗体を産生して血小板輸血不応状態になる. そこで同種抗体の産生の経過を検討した. [方法] 1. 1985年1月より1989年8月まで当院で治療し, 血小板および白血球除去赤血球を頻回輸血した血液疾患224例を対象にした. 2. 同種抗体の検査にはLCT法およびMPHA法を用いた. 3. 3ヵ月以上follow upできた症例で, 同種抗体の持続期間から, 次の3群に分けて検討した. Permanent群:出現した抗体が経過中いつも検出されるもの Transient群:一過性に抗体が出現, その後消失するもの Negative群:抗体陰性 4. 急性白血病は初診時からその...
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          | Published in | 日本輸血学会雑誌 Vol. 36; no. 1; pp. 130 - 131 | 
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| Main Author | |
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            日本輸血学会
    
        01.04.1990
     | 
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| ISSN | 0546-1448 | 
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| Summary: | 頻回輸血患者は, 同種抗体を産生して血小板輸血不応状態になる. そこで同種抗体の産生の経過を検討した. [方法] 1. 1985年1月より1989年8月まで当院で治療し, 血小板および白血球除去赤血球を頻回輸血した血液疾患224例を対象にした. 2. 同種抗体の検査にはLCT法およびMPHA法を用いた. 3. 3ヵ月以上follow upできた症例で, 同種抗体の持続期間から, 次の3群に分けて検討した. Permanent群:出現した抗体が経過中いつも検出されるもの Transient群:一過性に抗体が出現, その後消失するもの Negative群:抗体陰性 4. 急性白血病は初診時からその経過と抗体の推移を検討し, 抗体陽性の時期を検討した. また, permanetに抗体が持続する症例の背景を検討した. [結果] 1. 出現した抗体が持続するもの(permanent)は, 再生不良性貧血に高い傾向を示したが全症例では, LCT抗体19.6%, MPHA抗体21.4%であった. 陰性のものはLCT抗体46.5%, MPHA抗体32.2%であった. 2. 急性白血病でLCT抗体の出現時期をみると, 初診時(初回緩解導入)から1ヵ月以内にピークが認められた. 3. 初回輸血前よりLCT抗体が見られた6例中5例は妊娠歴のある女性であった. 4. Permanent LCT群は各年齢層に存在し, 男女比は1:1.5, 頻度の比は1:2であった. 5. 血小板輸血無効状態は初回緩解導入時AML9.1%, ALL0%であったが, 再発時の血小板輸血無効状態はともに50%と高かった. | 
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| ISSN: | 0546-1448 |