Focal radiolucent areaを呈する下顎骨の良性線維・骨病変

緒言:良性線維・骨病変の疾病分類は長年の課題である. この課題の1つとして画像的にfocal radiolucent areaを呈する病巣がneoplastic, reactiveあるいはdevelopmentalな病変によるものかどうかということが最近議論を呼んでいる. 目的:Focal radiolucent areaを呈する3種類の良性線維・骨病変をretrospectiveに比較検討する. 方法:Ossifying fibroma(OF)の患者37名(39病巣), cemento-osseous dysplasia(COD)の患者53名(72病巣), idiopathic osteos...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in歯科放射線 Vol. 40; no. 2; p. 173
Main Authors 中谷温紀, 柿本直也, 西山秀昌, 川井直彦, 古川惣平
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本歯科放射線学会 30.06.2000
Online AccessGet full text
ISSN0389-9705

Cover

More Information
Summary:緒言:良性線維・骨病変の疾病分類は長年の課題である. この課題の1つとして画像的にfocal radiolucent areaを呈する病巣がneoplastic, reactiveあるいはdevelopmentalな病変によるものかどうかということが最近議論を呼んでいる. 目的:Focal radiolucent areaを呈する3種類の良性線維・骨病変をretrospectiveに比較検討する. 方法:Ossifying fibroma(OF)の患者37名(39病巣), cemento-osseous dysplasia(COD)の患者53名(72病巣), idiopathic osteosclerosis(IO)の患者40名(48箇所)を対象として, それぞれの画像を解析し, 特にfocal, non-expansile radiolucent lesionについて3種の疾患の比較検討を行った. 結果:OFとCODはそれぞれ病巣の様相と境界によって4型に分類可能であった. IOは病巣のradiodensityと境界によって3型に分類可能だった. これら3種類の疾患は, 病巣がX線透過像と不透過像の混合像を呈するとき, 又は顎骨を膨隆させる時は明らかに区別することができた. Non-expansile, focal radiolucencyを呈するものはそれぞれOF groupでは39例中5例に, COD groupでは72例中6例に, IO groupでは48例中3例に認められた. このような像を呈する病巣はそれぞれの疾患groupに特異的な境界像を呈した. 結論:Focal, non-expansile radiolucencyの鑑別には病巣の境界がKeyになり得る.
ISSN:0389-9705