Diffuse sclerosing osteomyelitisとsynovitis, acne, pustulosis, hyperostosis, osteitis syndrome
下顎骨に生じるDiffuse sclerosing osteomyelitis(DSO)と全身疾患であるSynovitis, Acne, Pustulosis, Hyperostosis, Osteitis Syndrome(SAPHO Syndrome)の類似性について検討を行った. DSOは, 腫脹と疼痛を繰り返す非化膿性の炎症像, X線学的, 病理組織学的には慢性骨髄炎の像を呈し, 抗菌療法に抵抗性であり, 病期はしばしば数年を越える疾患として報告されている. 一方, SAPHO Syndromeは多骨に生じる難治性の骨関節炎症性疾患と皮膚病変(膿痂疹, 乾癬症, 掌蹠膿疱症)を伴う疾患...
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| Published in | 歯科放射線 Vol. 36; no. 2; p. 108 |
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| Main Authors | , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本歯科放射線学会
30.06.1996
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| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0389-9705 |
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| Summary: | 下顎骨に生じるDiffuse sclerosing osteomyelitis(DSO)と全身疾患であるSynovitis, Acne, Pustulosis, Hyperostosis, Osteitis Syndrome(SAPHO Syndrome)の類似性について検討を行った. DSOは, 腫脹と疼痛を繰り返す非化膿性の炎症像, X線学的, 病理組織学的には慢性骨髄炎の像を呈し, 抗菌療法に抵抗性であり, 病期はしばしば数年を越える疾患として報告されている. 一方, SAPHO Syndromeは多骨に生じる難治性の骨関節炎症性疾患と皮膚病変(膿痂疹, 乾癬症, 掌蹠膿疱症)を伴う疾患である. そこで今回の研究では, 骨関節病変と皮膚病変の有無を中心に, 我々の経験したDSO, 12症例について検討を行った. 単純X線写真または骨シンチグラムにより, 5例で下顎骨以外の骨に病変が確認された. 骨病変は, 前頭骨, 椎骨, 鎖骨, 胸骨, 肋骨などに認められた. また当科でのX線検査は行われなかったが, 胸肋鎖骨部および胸骨に病変の存在の疑われた症例がそれぞれ1例存在した. 関節病変は3例で認められ, そのX線像は, 胸骨・第1肋骨間関節部の前方突出を伴う硬化性変化, 腰椎から仙椎にかけての強直性脊椎炎様の像, 胸骨柄体関節部の骨棘形成などSAPHO Syndromeで報告されている関節病変のX線像と一致していた. 皮膚病変に関しては, 3例で掌蹠膿疱症の発生が確認され, 2例で掌蹠膿疱症の, 1例で乾癬症の発生が疑われた. 以上, DSO症例でもSAPHO Syndrome同様に下顎骨以外の部位に骨・関節病変を認めそのX線像はSAPHO Syndromeのそれと一致していたこと, およびDSO症例でも皮膚病変を合併している症例が存在したことにより, DSOはSAPHO Syndromeの部分症である可能性が示唆された. |
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| ISSN: | 0389-9705 |