小児上腕骨内顆骨折の一例

「はじめに」小児上腕骨内顆骨折は非常に稀な骨折とされるが, 今回レントゲン写真にて小児上腕骨内上顆骨折または内顆骨折と判断し, 関節造影にて内顆骨折と診断できた症例を, 手術所見と合わせ報告する. 「症例」7歳男児, 座っていた椅子より左肘を屈曲した状態で落下し受傷. 来院時のレントゲン写真正面像(図1)で, 大きく転位した内側上顆核と骨幹端の剥離骨片を認めた. 手術前に全身麻酔をかけた状態で関節造影を行ったが, 骨片は予想以上に大きく, 翻転しているように思われた( 図2). 手術中の所見では, 骨片は3cm×2cmで大きく翻転していた(図3). この骨片をtension band wiri...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 50; no. 3; pp. 757 - 759
Main Authors 西岡英次, 北川敬二, 宮崎剛, 井上博, 吉田健治, 永田見生
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.09.2001
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ISSN0037-1033

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Summary:「はじめに」小児上腕骨内顆骨折は非常に稀な骨折とされるが, 今回レントゲン写真にて小児上腕骨内上顆骨折または内顆骨折と判断し, 関節造影にて内顆骨折と診断できた症例を, 手術所見と合わせ報告する. 「症例」7歳男児, 座っていた椅子より左肘を屈曲した状態で落下し受傷. 来院時のレントゲン写真正面像(図1)で, 大きく転位した内側上顆核と骨幹端の剥離骨片を認めた. 手術前に全身麻酔をかけた状態で関節造影を行ったが, 骨片は予想以上に大きく, 翻転しているように思われた( 図2). 手術中の所見では, 骨片は3cm×2cmで大きく翻転していた(図3). この骨片をtension band wiringにて固定した(図4).「考察」小児上腕骨遠位端骨折の発生部位とその頻度について, Wilkinsら6)は上腕骨内上顆骨折が12.5%であるのに対し, 上腕骨内顆骨折は0.7%と非常に稀としている. しかし小児上腕骨内顆骨折は関節面にかかる骨折であり, 適切な治療を行わないと機能障害を残す.
ISSN:0037-1033