DIAGNOdent(R)の特性に関する基礎的研究

ドイツで近年開発された, レーザー齲蝕検知機KAVO DIAGNOdentを用いて, その原理について考察し, 臨床応用の可能性を検討してみた結果, いくつかの知見を得たので報告する. 本実験の目的は, 抜去歯に対して, 齲蝕除去前, 途中, 完全除去後のそれぞれの段階で計測を行い, 齲蝕検知液アシッドレッドによる判定と合わせて, このシステムによる齲蝕診断の基準値を探ることにある. 本実験の材料として, 齲蝕のある新鮮抜去歯20本, DIAGNOdent一式, 粗目のスチールエンジンバーとダイヤモンドタービンバー, 齲蝕検知液2%アシッドレッドプロピレングリコール溶液を用意した. そしてそれ...

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Published in昭和歯学会雑誌 Vol. 19; no. 1; pp. 127 - 128
Main Authors 木下潤一朗, 大島任, 鈴木信之, 木村裕一, 松本光吉
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 昭和大学・昭和歯学会 31.03.1999
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ISSN0285-922X

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Summary:ドイツで近年開発された, レーザー齲蝕検知機KAVO DIAGNOdentを用いて, その原理について考察し, 臨床応用の可能性を検討してみた結果, いくつかの知見を得たので報告する. 本実験の目的は, 抜去歯に対して, 齲蝕除去前, 途中, 完全除去後のそれぞれの段階で計測を行い, 齲蝕検知液アシッドレッドによる判定と合わせて, このシステムによる齲蝕診断の基準値を探ることにある. 本実験の材料として, 齲蝕のある新鮮抜去歯20本, DIAGNOdent一式, 粗目のスチールエンジンバーとダイヤモンドタービンバー, 齲蝕検知液2%アシッドレッドプロピレングリコール溶液を用意した. そしてそれぞれの患部に対し術前, エンジンバーによる齲蝕不完全除去後, アシッドレッド赤染後, さらにタービンによる齲蝕完全除去後, アシッドレッド無染後の5つの時点で計測し3回の平均値をとった. その結果, 色調の濃いもの, 凹凸のあるものに計測値が高いことから, このシステムがほぼ齲蝕の進行に比例していると思われ, また着色や形態以上に, 他の要因に依存していることがうかがわれ, バクテリアによる古い有機代謝産物の蛍光反射の存在を示唆していると思われる. 本実験の結論として, このシステムが, 慢性齲蝕に反応しやすく, 着色が無くても齲蝕を認知できること, アシッドレッド検知液との併用には注意が必要であることがわかった. また象牙質齲蝕として25以上を疑うが, 現状ではまだ補助的診断法として利用すべきであると考える.
ISSN:0285-922X