半側空間無視の臨床的重症度と机上検査成績との関連について
半側空間無視(以下USN)の重症度は机上検査による評価が主だが, 多彩な身体症状を呈するためリハビリテーション(以下, リハ)では臨床的な評価法が必要である, 今回, 座位・歩行能力からみたUSNの重症度分類を考案し, 机上検査成績との関連について検討したので報告する. 「対象」急性期脳卒中患者のうち, USNを認めた25名(左USN15, 右USN10. 脳出血14, 脳梗塞11. 男性10, 女性15. 平均年齢61.7±11.7歳), のべ44名. 「方法」我々が開発したタッチボード検査(TBD, 視覚探索課題), ピンボード検査(PBD, 視覚構成課題), 立方体模写課題と線分二等分(...
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          | Published in | リハビリテーション医学 Vol. 36; no. 11; p. 818 | 
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| Main Authors | , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            日本リハビリテーション医学会
    
        18.11.1999
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| ISSN | 0034-351X | 
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| Summary: | 半側空間無視(以下USN)の重症度は机上検査による評価が主だが, 多彩な身体症状を呈するためリハビリテーション(以下, リハ)では臨床的な評価法が必要である, 今回, 座位・歩行能力からみたUSNの重症度分類を考案し, 机上検査成績との関連について検討したので報告する. 「対象」急性期脳卒中患者のうち, USNを認めた25名(左USN15, 右USN10. 脳出血14, 脳梗塞11. 男性10, 女性15. 平均年齢61.7±11.7歳), のべ44名. 「方法」我々が開発したタッチボード検査(TBD, 視覚探索課題), ピンボード検査(PBD, 視覚構成課題), 立方体模写課題と線分二等分(LB), コース立方体検査(KOHS)を実施した. また, 臨床的重症度として座位不能群を重度, 歩行不能群を中等度, 歩行監視群を軽度とし, 各検査成績との関連を検討した. 「結果」臨床的重症度が重度であるほど, TBDでの見落とし数の増加, PBDでの患側の構成の誤り, 模写図形の完成度の低下, LBでの分割点の偏位率の増加, KOHSでの完成課題の低さがみられる傾向があった. 軽度群, 重度群に比較して中等度群では検査成績のばらつきが大きかった. 「考察」USNの臨床的重症度は機能予後を重視するリハにおいては有用な指標となると思われる. 今後, 中等度群の再検討を実施すると共に, 机上検査成績と合わせたUSNの重症度分類を考案しその妥当性について検討していきたい. | 
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| ISSN: | 0034-351X |